暗がりの中、サインを続ける”鉄人”カル・リプケンJr
2632試合連続出場のメジャー記録を持つ”鉄人”カル・リプケンJr.。ファンを大切にする気持ちは人一倍強かった |
試合後、リプケンのサインをもらおうとファンがスタンドで長蛇の列を作った。おもむろにサインをしだしたリプケン。夕方ながらまだかなり明るかった。サインを始めて30分後ぐらいに、チームのバスはベロビーチから2時間半はかかるオリオールズのキャンプ地フォートローダーデールへ帰って行った。それでもリプケンはサインを止めようとはしない。最後の1人が終えた時はもう辺りは真っ暗。鉄人は疲れた顔ひとつ見せず、裏方さんが運転するレンタカーに乗り込み、球場を後にした。
凄いと思った。さも当然という表情で、リプケンは黙々とサインをし続けた。しかもフランチャイズではなくアウェーの球場で、言いたくはないがファンの中にはサインを売りさばく”業者”も混じっているのに、笑顔を絶やすこともなく、リプケンはやり遂げた。これがスーパースターだと心底思った。