選手、ファンとも互いに思いやる気持ちを

日本のプロ野球界はどうだろうか。かつて巨人が強かりし頃、球団とマスコミがある意味”敵対関係”だった時期があった。年々、緩和されてきてはいるものの、メジャーのような関係は築かれていない。それも仕方ない面が多い。メジャーの場合、球場に来たら「何でも聞いてくれ。その代わり、球場を出たら放っておいてくれ」という考えが確立している。たとえば、レストランでヤンキースのデレク・ジーターが彼女と食事をしている場面に遭遇しても、誰もサインを求めに行ったりしない。

日本の場合、このように仕事とプライベートの境目がはっきりしているわけではないので、プライベートでもマスコミやファンが”乱入”してくる。飛行機や新幹線の移動も一般の人と同じ日本では、どうしたって隠すものは隠さなければならないし、そこには軋轢が生じてしまうのである。

野茂がマイナーからメジャーへ昇格し、トルネード旋風を全米中に巻き起こした1995年、最初はあまりファンにサインもしなかったが、翌96年から積極的にファンと接するようになった。周囲のメジャーリーガーに触発されたこともあっただろうが、日本のプロ野球界からメジャーリーグへ完全にシフトできたからだといえるだろう。

日本のプロ野球、メジャーリーグとも2008年シーズンがスタートした。メジャーリーグは観客動員、チケットの売り上げなどが右肩上がりに好調だが、それを「バブル」という言葉だけで片付けられない。選手のファンへの思い、ファンの選手への思いが浸透している強さがそこにある。日本も選手はもちろん、ファンも選手を思いやり、盛り上げる意識をもう少し強く持てば、野球離れの歯止めはかかるのではないだろうか。



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