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【MLB】カージナルス田口壮、最高の瞬間(3ページ目)

田口壮、37歳。メジャーのトップ選手に名を連ねるイチローや松井秀喜とは違って、地味な存在だ。その田口がワールドシリーズの舞台で先発に名を連ね、チャンピオンという最高の瞬間を迎えるまでを振り返る。

執筆者:コモエスタ 坂本

「サブ」から「スーパーサブ」へ


2004年のカージナルスはあまりにも強かった。シーズン中から地区トップを独走して早々に優勝を決め、シーズン100勝を超えた。ワールドシリーズ優勝の大本命と目されていた。

その通り、カージナルスはナ・リーグ優勝を果たすものの、ワールドシリーズで出てきたア・リーグのチームは、ア・リーグ優勝決定戦で3連敗から4連勝をし、奇跡の優勝を果たしたボストン・レッドソックスだった。勢いに勝るレッドソックスは、その流れに乗ってカージナルスをスイープ(4連勝)で下してしまう。あれだけ強かったカージナルスも、流れの前にはなすすべがなかった。

田口は「強い」カージナルスにおいては常に4番手・5番手的な存在であったが、2004年のワールドシリーズでは第1戦に先発のチャンスをものにする。結果、田口は1安打を放つ。しかしその安打も超ボテボテの内野安打であり、「田口らしい」と当時は思える結果を残すに留まった。

2004年ポストシーズンを通じて、田口の放ったヒットは結局この一本だけだった。カージナルスの敗退が決まる第4戦、田口はゲームセットの瞬間をネクストバッターズサークルで迎えた。前の打者が出たら代打の予定だったのだ。しかしその打席は回ってくることなく、田口は何とも言えない「終戦」を迎える。

そして2005年。前年のカージナルスよりもチーム力は落ちていた。主力の放出やケガなどがあり、田口にも出場機会が多く巡ってきた。田口は2005年シーズン、143試合出場、打率.288、ホームラン8本、打点53とキャリアハイの成績を残す。「サブ」から「スーパーサブ」または準レギュラーにステップアップし、田口はチームに欠かせない存在となった。カージナルスは再び地区優勝を遂げるものの、しかしワールドシリーズに進出することはできなかった。

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