1日でもプレーすれば有資格者

メジャーリーグでは、選手会によって年金が運営されています。選手登録が1日でもあれば有資格者となり、10年の選手登録があれば、満額となり、死ぬまで支給されます。満額の場合は、17万5千ドル(約1,960万円/ドル円:112円換算)を毎年受け取れます。

破格の年金制度

破格の年金制度


仮に選手登録が5年ならば満額の半額、9年ならば90%が支給され、5年未満であればゼロ。また、マイナーリーガーにはこの年金は適用されず、全く支給されません。

日本プロ野球の年金制度

日本は、10年以上の選手登録が受給資格条件の年金制度(支給額は年間100万円強で、55歳以降の支給)が存在。メジャーリーグと違い、1軍だけでなく2軍登録にも資格が発生します。

日米の差異

日米で支給方法や額が異なるのには理由があります。日本の場合は、かなり一般の年金に近く、労使(NPBと選手会)双方負担による積み立て年金というシステムです。

対してメジャーリーグの場合、財源と支給対象者の推移は安定しており、年金基金の運用も順調です。メジャー5年以上の選手という「勝者」に手厚く、「敗者」に厳しいシステムが安定の要因。このシステムの背景には、選手会の労組としての力が大きい。ストライキなどを経て、メジャー選手会は権利を獲得してきたのです。

一流日本人選手には魅力的

メジャーで長くプレーした野茂や松井、イチローなどが年金受給の資格を手にしているが、もちろん、有力日本人プレーヤーがメジャー挑戦するのは、年金制度が第一の理由ということはないだろう。しかし、日本人プレーヤーから見た場合、特に一流選手ならば、メジャーのシステムが魅力的に見えることは想像に難くない。

労使双方で見直しを

プロ野球の世界に限らず、年金システムや財源の確保には将来的な問題が多い昨今だが、特に野球選手の「第二の人生」を考えても、日本プロ野球の年金制度は転換期に差しかかっているように思える。一流でない選手にも将来・老後を保証し、一流選手には手厚く支給する、そんなうまいシステムの実現はたしかになかなか難しいだろう。

最近は、元プロ野球選手の犯罪事件なども目につくようになっている。プロスポーツ選手はその世界で「純粋培養」で育ってきたため、引退後のギャップは一般的に大きい。年金制度を含めた「第二の人生」のケア体制を、労使(NPB、選手会)双方で再度考えるべき時期に来ているだろう。

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