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メジャーと日本との違いはチャーター機移動にあり

日本のプロ野球における選手の移動は、新幹線を始め陸路での移動が基本。一方、広大な全米各地を飛び交うメジャーリーグでは、どのチームもチャーター機移動が基本なのだ。

瀬戸口 仁

執筆者:瀬戸口 仁

野球・メジャーリーグガイド

メジャーでは、どのチームもチャーター機移動が基本

メジャーではチャーターでの移動が一般的だ。

メジャーではチャーターでの移動が一般的だ。

青木宣親外野手(33)が今オフに移籍したジャイアンツ。その地元紙“サンフランシスコ・クロニクル”が、「昨季ワールドシリーズを制したジャイアンツが、今季から全90席ファーストクラスというチャーター機(ボーイング757)を導入する」と報じた。

メジャーリーグでは、どのチームもチャーター機移動が基本である。かつては専用機を持つチームもあったが、維持費や空港使用料(駐機料など)が莫大なため、チャーター機が主流となり、各チームが航空会社とシーズン契約することにしている。

広大な全米各地を飛び交い、連戦をこなすメジャーリーグでは、飛行機移動での選手の疲労軽減、回復は大きな課題。そこで、ヤンキースなどの多くのチームは、エコノミークラスの3列シートを選手1人で使用し、横になれるようにしているが、今回のジャイアンツのようにファーストクラスにするチームも出てきて、同じ西海岸のマリナーズやアスレチックスも同仕様にしている。西海岸のチームは、東海岸のチームより遠征の移動距離が長いため、仕方ないのかもしれない。

いずれにしても、日本のプロ野球とは雲泥の差だ。日本の場合は、移動距離も短く、新幹線利用もあるため、チャーター機などは考えられず、普通のお客さんと同じ便になる。便数が少ない地方球場での試合などの場合、戦う相手と“呉越同舟”もあり得る。

それに対してメジャーリーグでは、チャーター機のため一般のお客さんに会うことはなく、離着陸の時間も関係なく、目的空港に着陸したらタラップの先にバスが止まっていて、宿舎ホテルまで直行する。シートもそうだが、いかに選手を疲れさせないか、次の試合にベストの状態で臨めるかを第一に考えているのだ。

話をジャイアンツに戻そう。現時点でブルース・ボウチー監督の構想では、今季マーリンズから加入した元楽天のケーシー・マギー内野手を6番に、青木を7番・レフトで起用する可能性が高い。1、2番ではなく、7番となると、気持ち的にリラックスして、“自分のバッティング”に集中できる。それに加えて強力な“援軍”も現れそうだ。

ボウチー監督によると、メジャーリーグの本塁打記録(通算762本)を持つバリー・ボンズ氏が、古巣ジャイアンツのコーチ(どういう役割、期間等は未定)に就任する可能性がある。数々のホームラン記録を保持しているが、禁止薬物使用問題に関するスキャンダルの影響で、野球殿堂入りへの選出が見送られているボンズ氏。だが、7度のMVPに選出されるなどバッティング技術に絶大な定評を持つだけに、もし指導を受けられれば、青木にとってこれ以上ない“財産”になる。“すべての部門で自己ベストの更新”という今季目標の達成にも近づくことになりそうだ。
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