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メジャーのトレード“デッドライン”が7月31日の理由

7月31日のトレードのデッドラインが迫り、マーリンズ・イチロー外野手の去就に注目が集まっている。ところで、なぜ7月31日がメジャーのトレードのデッドラインと呼ばれているのかをご存知だろうか?

瀬戸口 仁

執筆者:瀬戸口 仁

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“第4の外野手”として、球団もイチローを高く評価

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マーリンズ・イチロー外野手は7月12日(日本時間13日)、前半戦最後の試合となったレッズ戦に5月3日(同4日)以来今季2度目の「1番・右翼」でスタメン出場。4打数1安打1得点だった。

第4打席で左前打を放つと、今季7個目の盗塁を決め、ホームも踏んだ。これで3試合連続安打。自己ワーストの34打席連続無安打からようやく立ち直ったといえる。

「ようやく体がノーマルな状態に近づいてきている。野球をやるための状態。今まではそこまでいっていないというか、その判断もできない時間だった」

“第4の外野手”というのは、頭ではわかっているつもりでも、調整は難しかった。ここまで89試合のうち、84試合に出場しているイチローは、代打で39試合、守備からの途中出場が5試合。先発出場40試合は、ケガや打撃不振に陥ったレギュラー選手の“代役”がほとんどだ。

先の見えない中でのプレーを続けてきて、打率.253、19得点、1本塁打、11打点、7盗塁はそんなに悪い数字ではない。

7月31日のトレードのデッドラインが近づいてくると、“第4の外野手”のイチローを正外野手として欲しいとするトレード話が浮上してきてもおかしくはない。これに対して、マ軍の球団関係者は「イチローはどこにも行かない。8月も9月もここでプレーするだろう」と放出を否定。それどころか、イチローの来季についてジェニングス監督は「球団内で話し合っている」と契約延長に前向きで、それだけ評価が高いことを示している。


メジャーのトレードで7月31日が“デッドライン”とされる理由

ここで大リーグのトレードについて触れなければならない。先ほどデッドラインと書いたが、7月31日(米東部時間16時)がメジャー契約(40人枠内)選手をウェーバー公示なしでトレードできる期限日時となっている。

8月以降のレギュラー期間以降もトレードは可能だが、その際、メジャー契約の選手を放出する場合は事前にウェーバーを通過させる必要がある。つまり、他球団に邪魔されることなく、双方の球団間の合意(もちろん、選手にトレード拒否権がある場合、それを破棄しない限りはダメだが)だけでトレード可能な7月31日がデッドラインとなる。したがって、7月31日直前に大物選手の駆け込みトレードが頻繁に成立するのだ。

また、9月1日以降はアクティブ・ロースターが25人から最大40人に拡大され、より多くの選手を公式戦に出場させられるようになるが、8月31日の時点で当該チームの25人枠に登録されていないとポストシーズンゲームに出場できない。ポストシーズン進出の可能性があるチームは、下位に沈むチームから主力級選手を引き抜こうと躍起になる。

いずれにしても、7月いっぱいでポストシーズン進出の可能性はだいたい見極められるため、7月31日まで全く目が離せない日々が続くことになる。
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