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レ軍・ダルビッシュの中4日限界説が全米に波紋

ダルビッシュ有投手の唱えた“中4日限界説”が、全米で波紋を呼んでいる。開幕から2カ月の段階で20人もの投手が肘の靭帯再生手術を受けている実情もあり、複数の野球人から肯定的な意見も出た。

瀬戸口 仁

執筆者:瀬戸口 仁

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ダルビッシュ投手の提案に、選手・監督も反応

日本のメディアに対し「最低でも中5日に。そうなると投手1人1人の年俸は下がるけど、選手をプロテクトしたいのなら」と持論を展開したダルビッシュ投手。

日本のメディアに対し「最低でも中5日に。そうなると投手1人1人の年俸は下がるけど、選手をプロテクトしたいのなら」と持論を展開したダルビッシュ投手。

レンジャーズのダルビッシュ有投手(27)が7月23日(日本時間24日)、3年連続の二ケタ勝利を目指してニューヨークでのヤンキース戦に先発したが、試合が雷雨のため五回コールドとなり、6敗目(9勝)を喫した。

4回まで2失点。1対2で迎えた五回一死二塁としたところで激しい雷雨のために中断。結局、1時間49分の中断の末にコールドゲームとなった。「試合はできたと思いますし、チームが負けたのが悔しい。なんか、これで負けたのかなって思います」とダルビッシュ。残念ながら10勝目を手にできなかったが、二ケタ勝利達成も時間の問題だろう。

それよりもダルビッシュは今、オールスター前日の会見が全米中で話題となっている。ヤンキースの田中が、右肘靭帯の部分断裂で長期離脱したことを受け、日本のメディアに対し、「中6日あれば炎症は全部取れる。もう1枠、先発の枠を増やして、最低でも中5日に。そうなると投手1人1人の年俸は下がるけど、選手をプロテクトしたいのなら」と持論を展開。「これだけトミー・ジョン(手術)が出ているんだから議論しなければいけない」と訴えた。

この提案に対し、米メディアで波紋が広がった。ニューヨークの地元紙ニューズデーは「6人でのローテーションを支持するダルビッシュ有」との見出しで報道し、FOXスポーツは「腕の故障を減らすため、6人でのローテーションをダルビッシュが提言」と伝えた。また、「投手の腕を守るため、少ない登板をエースは支持」と報じたニューヨーク・タイムズは、2008年と2009年に広島でプレーしたレンジャーズのコルビー・ルイス投手の「(日本時代の)週1回の登板は好きだった」とのコメントを紹介。「いつもとても健康で力強い感覚があった。田中に起きたことの原因とは言わないが、考える価値はあるだろう」とダルビッシュの登板間隔を広げる案を支持した。

さらに日米で監督経験があるボビー・バレンタイン氏もダルビッシュの提案に賛同。「シーズン中に多く先発登板できないかもしれないが、キャリアの長さをもっと長くすることができるだろう」と発言した。

今季、開幕から2カ月の段階で20人もの投手が肘の靭帯再生手術(トミー・ジョン手術)を受けた。マーリンズのエース、ホセ・フェルナンデスを始め、アスレチックスのジャレット・パーカー、レイズのマット・ムーア、ヤンキースのイバン・ノバなどで、バド・セリグコミッショナーは5月に「新聞を読むのが怖い」と語ったほど。ヤ軍・田中はチームドクターらに手術の必要はないと判断され、PRP療法と呼ばれる再生療法を実施し、6週間での回復を目指しいている最中だが、手術の可能性がゼロになったわけではない。

ダルビッシュが唱えた“中4日限界説”。昨季サイ・ヤング賞争いで2位になるなどすでにメジャーで実績を残している男の提案だけに、波紋からムーブメントに変わる可能性が高い。
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