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上原の息子がお立ち台で全米ファンの心を鷲掴み

レッドソックスの6年ぶり8度目となる世界一で幕を閉じた今年のワールドシリーズ。それからしばらく経ったにも関わらず、今だに全米中で余韻を残している“ヒーロー”がいる。上原の長男・一真(かずま)クンだ。

瀬戸口 仁

執筆者:瀬戸口 仁

野球・メジャーリーグガイド

たった4つの言葉でファンを魅了した一真クン

「アイ・ドン・ノー」「エキサイティング!」「グッド」「クレイジー」だけで、全米中のメジャーリーグファンのハートを鷲掴みにした一真クン。

「アイ・ドン・ノー」「エキサイティング!」「グッド」「クレイジー」だけで、全米中のメジャーリーグファンのハートを鷲掴みにした一真クン。

2013年のワールドシリーズは、上原浩治投手(38)、田沢純一投手(27)の大活躍もあって、レッドソックスがカージナルスを4勝2敗で破り、6年ぶり8度目の世界一に輝いた。それからしばらく経ったにも関わらず、今だに全米中で余韻を残している“ヒーロー”がいる。上原の長男・一真(かずま)クンだ。

上原がMVPを獲得したリーグ優勝決定シリーズで、上原と共に表彰台に上った7歳の一真クンは、「パパは吐きそうだったって言っているけど、パパが投げている時はどんな気分だった?」と質問されると、「アイ・ドン・ノー(さあね)」と回答。「見ていて(パパみたいに)吐きそうにならなかった? それとも興奮したかな?」と尋ねられたら、すぐに「(アイム)エキサイテッド(興奮した)!」と元気に答えた。

そして、今度はワールドシリーズの優勝セレモニーの舞台に一真くんが登場。「パパの活躍はどう思った?」の質問に、「グッド(良かったよ)」と評価し、「どのように祝福するの?」と尋ねられたら「クレイジー(熱狂的に)」と返答した。ヒアリングの面では、あきらかに息子の方がパパよりも上の印象を与えた。

このやり取りを見ていた(聞いていた)フェンウェイ・パークの大観衆や地元ファンはヤンヤの喝采。一真クンは、「アイ・ドン・ノー」「エキサイティング!」「グッド」「クレイジー」だけで、全米中のメジャーリーグファンのハートを鷲掴みにしてしまった。それは、一部メディアが「新たなロックスターが誕生」と紹介したことでもわかる。ちなみにアメリカにおける“ロックスター”とは、最高に憧れる存在を指す。

アメリカ人は“仕事より家族”を優先する。それはトップアスリートでも例外ではない。冠婚葬祭はもちろん、“娘の卒業式“や“息子の運動会(フィールドデー)”で一時的にチームを離れる。チームが大事な時期でも離れる。そのことを決して非難されることはない。また、メジャーリーグでは最長3試合の“出産休暇”が認められていて、青木宣親(ブルワーズ)や川崎宗則(ブルージェイズからFA)も夫人の出産に立ち会っている。そして、子供が試合前のグラウンドやベンチ、ロッカールームへ入ることが許される。契約書にわざわざそれを許可する一文を記す選手も多いのだ。

上原の家族はボルチモアに住んでいるため、一真クンの学校に許可を得て全日程に同行した。そういうことも日本では認められないかもしれない。社会とスポーツの関係が、日本に比べてより密接な関係にあるアメリカ。そこまではいかなくても、それに近い関係を日本も築く時期に来ているのかもしれない。一真クンが堂々と胸を張ってインタビューを受ける姿を見て、そのことを痛感した。
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