野球/野球関連情報

進化する野球盤(2ページ目)

野球盤メーカーとしておなじみのエポック社が、今秋コナミと共同開発した新商品『実況パワフル野球盤』を発売する。そこで、着々と進化を重ねる野球ゲームや野球盤の歴史を振り返ってみる。

執筆者:コモエスタ 坂本

野球電卓


野球電卓
野球電卓
1980年代前半、高校生ぐらいになると私は電卓を持つようになった。ちょうど電卓の価格が下がり始め、変わり種として付加機能の付いた電卓が発売された頃だ。ゲーム付き関数電卓などは普通の部類、私の持っていたのはメロディ電卓などという、数字が鍵盤状に配置されている珍品もあった(今でもまだ保有している)。

そんな変わり種電卓の中でも、とりわけ変わっていたのが、写真のベースボール電卓だ。この電卓は1982年にカシオが社運を賭けて作ったもので(推測)、何が驚きかと言えば、ベースボールを縦1センチ、横5センチで表現してしまおうと思った開発者の凄さである。

この表示窓には、ピッチャーマウンドからバッターボックスまでと、グラウンドの全てが凝縮されている。そしてスタートボタンを押せば音が鳴り、コンピューターチームとの対戦が始まる。

よくこれだけの要素をここに収めたな、と思える程機能は満載。球種も豊富だし、ヒットも二塁打も三塁打もホームランもある。自動だがダブルプレーもタッチアップもある。バッターによって長打力も選球眼も違うし、ないのは盗塁機能ぐらいなものだろう。

もうこうなると、かなり電卓ではない。取扱説明書でも、電卓の説明より多くがベースボールゲームの説明に割かれていたりするからだ。

ファミコンタイプ


ファミスタ88
ファミスタ88
アーケード版で初めてベースボールゲームを見かけたのは、80年前後だと記憶している。投球&バッティングは平面だったが、「ストライク!」「セーフ!」などの審判の声はリアルで、なかなかに興奮した覚えがある。また、コンピューターのチームは終盤に強く、勝てるようになるまでには、かなりの硬貨を費やしたものだ。

その後、コンシューマーゲーム機上でも、様々なベースボールゲームが登場した。中でもファミコンの「ファミスタ」は完成度が高かった。バッティングは3D化され、各バッターやピッチャーのパラメーターなどもかなりリアルだ。写真は88年版だが、オリジナルのチームをエディットできるというのも魅力の一つだ。

最近のコンピューターベースボールは、グラフィックなどはよりリアルになったものの、基本的なゲームの細やかさは「ファミスタ」から余り進化していない気がする。ゲームに必要なのは、あくまで想像力を喚起させる事なのだと思ったりもする。

【そして再び野球盤】→
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