野球電卓
野球電卓 |
そんな変わり種電卓の中でも、とりわけ変わっていたのが、写真のベースボール電卓だ。この電卓は1982年にカシオが社運を賭けて作ったもので(推測)、何が驚きかと言えば、ベースボールを縦1センチ、横5センチで表現してしまおうと思った開発者の凄さである。
この表示窓には、ピッチャーマウンドからバッターボックスまでと、グラウンドの全てが凝縮されている。そしてスタートボタンを押せば音が鳴り、コンピューターチームとの対戦が始まる。
よくこれだけの要素をここに収めたな、と思える程機能は満載。球種も豊富だし、ヒットも二塁打も三塁打もホームランもある。自動だがダブルプレーもタッチアップもある。バッターによって長打力も選球眼も違うし、ないのは盗塁機能ぐらいなものだろう。
もうこうなると、かなり電卓ではない。取扱説明書でも、電卓の説明より多くがベースボールゲームの説明に割かれていたりするからだ。
ファミコンタイプ
ファミスタ88 |
その後、コンシューマーゲーム機上でも、様々なベースボールゲームが登場した。中でもファミコンの「ファミスタ」は完成度が高かった。バッティングは3D化され、各バッターやピッチャーのパラメーターなどもかなりリアルだ。写真は88年版だが、オリジナルのチームをエディットできるというのも魅力の一つだ。
最近のコンピューターベースボールは、グラフィックなどはよりリアルになったものの、基本的なゲームの細やかさは「ファミスタ」から余り進化していない気がする。ゲームに必要なのは、あくまで想像力を喚起させる事なのだと思ったりもする。