野球盤メーカーとしておなじみのエポック社が、今秋コナミと共同開発した新商品『実況パワフル野球盤』を発売する。そこで、着々と進化を重ねる野球ゲームや野球盤の歴史を振り返ってみる。

『実況パワフル野球盤』の進化


実況パワフル野球盤
実況パワフル野球盤
特定の商品を宣伝したいという気はあまりないのだが、どうにも野球盤には心惹かれてしまう。エポック社がコナミの「パワプロ」とタイアップして、ICチップで実況音声や歓声を出すとか、またボールの動きを検知するセンサーが付いているなど宣伝されると弱い。従来の野球盤にない要素が盛り込まれた「最上位機種」だとか言われるとなおさらだ。

私は数々の野球ゲームを楽しんで来たし、またゲーム開発の経験もある。野球ゲームは、野球そのものではない。しかし、そのゲーム部分のエッセンスを取り出して楽しめるという点では、他のスポーツに比類しない面白さがあるように思える。私事で恐縮だが、本稿では野球盤を含めた、「私と野球ゲーム」の話を述べていきたい。

最初に買ってもらった野球盤


私が1974年に初めて手にした野球盤が、エポック社の「野球盤AM型」と呼ばれるものだ。ご存じ「消える魔球」機能は既に搭載していて、このタイプではスタンドが新設されたのがウリだったようだ。

当時小学生だった私は、この野球盤を親に買ってもらったのだと思う。購入の経緯をよく覚えていないが、いつしかそれは家にあった。一人でプレイしても面白くないので、友達が来るとそれで遊んだ。友達の家にも似たような野球盤があった。

今でこそ考えられないかもしれないが、当時の遊びと言えば主に野球だった。学校が終わると草野球に興じ、また家では野球盤をやって、野球中継を見るという野球づけの生活が当たり前の毎日だったのだ。

鉛筆野球


鉛筆タイプ
野球鉛筆
学校の中ですら、野球をやっていた。それも校庭とかではなく、教室の中でだ。それが写真の「鉛筆野球」というやつだ。野球をプレイする上で、極力までに肉体性を廃し、その確率論に重きが置かれている。野球はある意味、確率のスポーツだ。

写真の鉛筆には、ヒット・二塁打・ホームラン・アウト・アウト・三振の6つが刻まれていた。ゲームの進行上、アウトと三振の区別はなくてもよいのだが、気分の問題なのだろう。しかし、これでは打率が5割なので、とんでもないスコアの試合が展開されてしまう。

そこで改良が加えられる事になる。6面のうち2面をヒットにすれば打率は3割3分3厘、これで実際に近い。そしてヒットの場合は、鉛筆をもう一度振る。鉛筆には、シングル×3、二塁打・三塁打・ホームラン各1、と別に書かれていたりする。ちょっとした工夫だ。

さらに鉛筆ベースボールはどんどん進化していくのであった。バントにエラーに盗塁にタッチアップに…と、改良には果てがない。

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