2008年の北京五輪を最後に、2012年ロンドン五輪ではオリンピック正式種目から除外された野球。野球がオリンピック競技に復活する可能性を探る。
正式種目除外の経緯
2005年7月に開かれたIOC(国際オリンピック委員会)総会は、北京五輪に続く2012年五輪の開催地をロンドンに決定した。その後、同総会での投票によって、野球とソフトボールはロンドン五輪での正式種目から除外された。
そして2006年の2月9日、両種目の開催復帰への嘆願書が提出されたことを受けて、IOC総会においてロンドン五輪での「復帰再考」を問う投票が再び実施された。この投票は以下の2段階が設定されていた。
(第一段階)今総会で復帰を問う「第二段階」の投票を行うかの投票
(第二段階)両種目の復帰を問う投票
結果は、第一段階の投票で過半数を獲得することができなかった。この時点でロンドン五輪における野球開催がなくなったことが決定したのだ。
危惧されていた五輪野球開催
IOCやFIFAなど、国際的なスポーツ組織は、利権の絡み合う世界である。なぜロンドン五輪で野球が除外されたかは、事細かな真相は霧の中だ。しかし、これが決定する以前から2012年オリンピックにおける野球開催は危ぶまれていた。
その理由はいくつかある。開催地の有力候補が本命パリ・対抗ロンドンという、野球が盛んでないヨーロッパだったということ。2004年アテネ五輪でも、開催国ギリシャがかなり無理をして野球の開催を敢行したこと。そのアテネで、MLBがメジャー選手の参加に制限を加えたこと。また最大の野球国であるアメリカが、予選敗退してアテネに出場できなかったこと、等々だ。アテネ五輪での野球開催を振り返ってみよう。
アテネ五輪での野球はどうだったか?→