2005/5/26現在、36勝14敗と勝率7割を越え、パ・リーグの首位を快走する千葉ロッテマリーンズ。チーム打率・防御率とも12球団ナンバーワンをキープし、31年ぶりの優勝を目指すチームの戦力を解剖する。
【PART1 投手編】
【PART2 打者編】
【PART3 なぜこんなに強いのか?】
【PART4 あえて死角を探る】
なお、本記事の成績・数値は全て5/26(交流戦前半終了、50試合)時点のものである。
【PART1 投手編】
12球団ナンバーワン
千葉ロッテの今年の躍進を支えるのは、12球団ナンバー1を誇る投手陣だ。筆者は今年のロッテの通年防御率を両リーグトップと予想したが、想像をさらに上回る出来だ。5/26現在、チーム防御率は両リーグ唯一の2点台(2.61)であり、続くソフトバンクや阪神を0.5点以上引き離している。今後、この防御率は落ちることはあっても、トップを譲ることはおそらくないだろう。
豊富な先発陣
2005年のロッテ、先発投手には7人が名を連ねている。そのいずれもが勝ち星を重ね、防御率は全員3点台以下である。ローテーションは最大6人なので、1人が余っている状態だ。セ・パ交流戦6連戦時の基本ローテーションは以下で、2勝1敗の加藤はスタンバイである。
火水木=小野、小林宏、久保
金土日=清水直、セラフィニ、渡辺俊
先発の安定感
先発を含め、投手陣の主力は30歳前後の選手が多く、ちょうど油の乗った時期だ。7人の先発陣の他にも、他チームなら一軍先発候補の投手(手嶌、浅間ら)が控えており、「選りすぐり」のローテーションと言えるだろう。
数字面で検証すると、50試合終了時点で先発投手の登板イニング数が平均7回を超えている。そして先発が5回未満でマウンドを降りた試合がわずか2試合と、信じられない数字だ。
黄金の投手リレー
リリーフ陣も安定している。特に藤田-藪田-小林雅と続く「勝利の方程式」が確立されており、ともすれば先発陣かリリーフ陣のどちらかに不安を内包しがちな各チームの投手陣にはうらやましい陣容である。
投手陣紹介
<先発>
久保(16) 6試合4勝1敗 防御率1.93
松下電器から自由枠入団の即戦力ルーキー。通称「ソニック」(パナソニックに由来)。デビュー戦でいきなり完封勝利。
清水直(18) 9試合4勝4敗 防御率2.78
3年連続2ケタ勝利、アテネ五輪代表のエース。2005年の開幕投手。
加藤(28) 3試合2勝1敗 防御率3.06
2002年11勝の左腕が復活。通称コースケ。
小野(29) 7試合5勝1敗 防御率1.97
2000年に10連勝(13勝)を挙げた「サンデー晋吾」が故障等から復活。
渡辺俊(31) 9試合7勝1敗 防御率1.74
地上すれすれから投げる脅威のサブマリン。2003年9勝、2004年12勝でブレイク。
小林宏(41) 9試合7勝2敗 防御率3.36
好不調の波があるが、2003年10勝、2004年9勝とローテを守れるようになった。
セラフィニ(18) 8試合3勝1敗 防御率2.60
メジャー10球団に在籍した渡り鳥左腕で、2004年からロッテに。
<リリーフ>
神田(11) 1試合0勝0敗0S 防御率9.00
2002年ドラフト4位の右腕。フォークが武器。
藤田(12) 14試合1勝0敗0S 防御率0.79
プロ入り8年目で400試合登板達成のタフネス中継ぎ左腕。勝利の方程式の一角。
小宮山(14) 5試合0勝0敗1S 防御率2.70
元ロッテのエースが横浜・メッツを経て復帰。現在は敗戦処理・大勝処理などの特殊用途で出番が。時速80キロの特殊球「シェイク」が最近のウリ。
山北(15) 7試合0勝0敗0S 防御率7.36
中日より移籍の左腕。開幕時から起用されるも、安定感に欠き二軍落ち。
藪田(20) 15試合3勝2敗3S 防御率1.65
昨年から特に安定感を増したセットアッパー。昨年は66登板とフル回転。
小林雅(30) 17試合0勝1敗15S 防御率2.93
今年最速150S達成の、ロッテ及びアテネ五輪日本の守護神。
山崎(46) 18試合0勝0敗1S 防御率2.60
元広島、2001年よりロッテで中継ぎの貴重な右腕。
高木(48) 9試合0勝0敗0S 防御率8.64
19年目ベテラン左腕。去年は先発もこなすが、今年は中継ぎで不調、二軍落ち。
※恐るべきことに、今季一軍登板は上記15人のみ。
【PART2 打者編】に続く→