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国内・海外の2004年野球トピックス 「2004年の野球十大ニュース」(3ページ目)

日本プロ野球に激震が走った2004年。この1年を振り返り、野球界の十大ニュースをランキング化してみました。国内編と海外編に分けたランキング、ぜひご覧ください。

執筆者:コモエスタ 坂本

野球十大ニュース 海外編

■1位 レッドソックス、悲願のワールドシリーズ制覇

ア・リーグ東地区2位でプレーオフ出場権をワイルドカードで得たボストン・レッドソックスが激戦のリーグ優勝決定戦を勝ち上がり、ワールドシリーズでもナ・リーグのカージナルスを破り、86年ぶりのワールドシリーズ制覇を達成した。

レッドソックスが「バンビーノの呪い」を打破するのに大きな関門となるのは、大抵ヤンキースだった。そのヤンキースに3連敗のあと4連勝と劇的な勝利を収めたが、このリーグ優勝決定戦の様々なドラマは忘れられない。ガルシアパーラを放出した夏以降のチーム再建とプレーヤーの噛み合いぶりは見事だった。最初からあのチームだったら、ぶっちぎりだったのだろうか?

■2位 アテネ五輪野球、キューバ優勝

アテネ五輪野球は、予選リーグ2位のキューバが準決勝でカナダ、決勝でオーストラリアを下し、金メダルを獲得した。

まさになりふり構わない金メダル、と言うべきか。対オーストラリアの決勝戦は私にとって今年のMIG(Most Impressive Game)だった。審判の誤審を招くこと、試合が均衡しているときにはどんな手を使っても相手のペースを崩すこと、勝ちが見えたら流れを壊さないために淡々と何も起こさずに終了まで進めること、などキューバ・ラテン野球のエッセンスが詰まった、ある意味見事な試合だった。

■3位 日本プロ野球、激動の一年

詳しくは国内編を参照のこと。普通に考えて、日本プロ野球には年俸が割高な選手が多い。だからこそアメリカ3Aレベルの選手がこぞって日本に来たがるのだ。世界レベルから考えれば、日本プロ野球は国際市場と比較するとかなり特殊な経営で成り立っているのだ。それゆえ、激動が起こるのも時間の問題だった、と言えるだろう。それにしても起きるときには一気に事が噴出するものだ。

■4位 イチロー、メジャー最多262安打達成

ニューヨークや東海岸では大きな話題ではなかったが、全米の野球ファンというレベルでは最も注目されたプレーヤーだろう。安打を1本ずつ積み上げていくことの盛り上がり方は日本と同じだ。MLB.comでは、ポストシーズン前の話題としてイチローを常にフィーチャーし続けた。日本でもアメリカでも、客を呼べる選手なのだ。

■5位 韓国プロ野球、兵役逃れ事件で激震

9月初旬、韓国プロ野球選手の組織的な兵役逃れ工作が発覚し、8チームの全51選手が今季出場停止処分になり、ポストシーズンゲームにも影響を与えた。

以前、日本のプロ野球選手による脱税事件と似ている部分がある。ブローカーの介在、国民の義務に対する反逆、そして世間知らずの選手があまりにも安易に手を染めたことなどだ。韓国の成人男子には2年強の兵役期間が義務づけられており、現役プロ野球選手でもチームをいったん離れ兵役につくのが普通で、稼げる期間の短いプロスポーツ選手にとって2年は確かに大きい。来年以降、処分選手の処遇や韓国球界の今後などが気になるところだ。

■6位 カージナルス、ナ・リーグ制覇

ナ・リーグ中地区のセントルイス・カージナルスは、シーズン105勝をあげて地区優勝、ポストシーズンもナ・リーグを制覇し、ワールドシリーズに進出したが、ワールドシリーズではレッドソックスに4戦全敗した。

今年のカージナルスは強かった。ローテーション投手が皆よかったし、中軸打線はとてつもなく打った。そして何よりも、ラルーサ監督がうまかったし、チームのノリがよかった。ワールドシリーズ進出までは当然のように思えた。しかし、ワールドシリーズには魔物が棲んでいたのか…ヤンキースを破って厄が落ちたのか、レッドソックスにスイープだ。もろもろを含めて、何とも劇的で不思議なシーズンだった。

■7位 ボンズ、史上最高出塁率で4年連続MVP

サンフランシスコ・ジャイアンツのバリー・ボンズは、メジャー史上最高出率.609、 四死球232という驚異的な記録とともに首位打者(打率.362)となり、4年連続7回目のナ・リーグMVPを獲得した。

メジャー史上、三拍子揃った最高のバッターかもしれない。しかし、ボンズには常に薬物疑惑がつきまとい、さらにマスコミ受けもよろしくない。扱いに難しい選手である。こういう人こそ、引退後の人生や晩年を綺麗に生きて欲しいものだ。いや、まだまだ現役なのだが。

■8位 ヤンキース、激戦もリーグ優勝ならず

ア・リーグ東地区を100勝越え1位で通過し、ポストシーズンも勝ち上がる勢いだったが、ア・リーグ優勝決定戦で3連勝の後、レッドソックスに4連敗を喫し、2年連続のワールドシリーズ進出を阻まれた。

ローテーションに不安を抱え、ジオンビーの病気欠場などがあっても何故か夏場強かったヤンキース。名門の底力は侮りがたかったが、結果的にはやはり先発投手が一人とか、控え選手の層とかが微妙に足りなかったような気がする。「ぜいたく税」の影響で、細かい部分にまで手が(金が)回らなかったのだろうか。

■9位 野球W杯・アジア杯の動き高まる

野球ワールドカップ構想は、予選16か国・決勝リーグ8か国で争うもの。2006年3月開催に向けて、この11月に日・米・韓が同意したが、先行きは不透明だ。アジアカップは、日・韓・台・中の4か国で2年に一回という構想。4日間日程で、予選リーグ3日間と決勝戦・3位決定戦が行われるものと思われる。

日程や開催地・移動の面などを含めて、開催までになかなか折り合いのつかない事項も多いだろうが、各国とも「やらねばならない」状況は理解しているようだ。

■10位 エクスポズ、ワシントン移転

かねてからオーナー不在で、MLB預かりとなっていた、モントリオール・エクスポズ。ワシントン移転が決定し、名前も「ナショナルズ」と発表されたが、その移籍合意が一転白紙撤回かという話になったが…

12月29日にワシントン市のウィリアムズ市長が、新球場建設に関する条例に署名して正式に「ワシントン・ナショナルズ」が発足することになった。今年最後の大きなニュースである。


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