ライブドアの功罪

この記事を通して、私はライブドアという会社の単なる経営批判を試みようとしているのではない。新興IT企業は大なり小なり経営の不安定さを抱えており、その実力よりも市場誘導政策に余念がない傾向がある。新チームからの球界参入という点では、ライブドアの球団創設・運営に、甚だ疑念を感じるからだ。 私はライブドアが「オン・ザ・エッヂ」「エッジ」という旧社名だった頃からずっと見続けている。ライブドアは大目標を掲げがちで、人もそこに引きつけられるが、公約を地に足をつけて実現してきたかと言えば、決してそうではない。既存の価値観を破壊するのは得意かもしれないが、決してまっとうな「もの作り」をしてきたとは言い難い。ライブドアが新規参入するぐらいであれば、11球団のままの方がまだマシかなどとも考えたりするほどだ。

しかし、ライブドアという会社がこの1年の球界再編問題において果たしてきた役割は大きい。プロ野球界の体質を暴き、新規参入への門戸を開き、旧態依然たるプロ野球を巡る状況に問題を提起し、一石を投じた効果は高かったからだ。

ライブドアの罪の部分は、ライブドアが新規参入を認められない限りは少ない。強いて挙げるならば、プロ野球に対して愛着もなく、スポーツビジネスの運営ノウハウもなく、売名欲の高い新興企業への門戸を広くしてしまった可能性があることだろうか。

これ以上の混乱を招かないために

その筋道が正しかったとは思わないが、オーナー会議が新規参入企業を楽天に決定したことは、結果としては正しい。もしライブドアの参入を認めたり、参入保留したりして、13球団・14球団化への含みを持たせることは、今の混乱状態を収拾することにはならない。

しかしながら、球界体質の改善は一向に進んでいないのも自明だ。今回の結論は、とりあえず2005年のシーズンを開催可能にしたに過ぎず、全ての問題は先送りである。新規参入が認められた楽天にせよ、ライブドアを押しのけて参入したということに対して逆風が強いだろうし、また一からの球団経営には不安がある。

それにせよ、楽天の新規参入はライブドアの新規参入が認められるよりもまだマシだったのであり、消去法的に正解だったのである。楽天の阿漕な参入方法やビジネスに対してはもちろん問題がないわけではないが、ライブドアよりも破綻の可能性は低い。とりあえずライブドア派も楽天派も今後の成り行きを見守っていこうではないか。


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