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田中を目標とする巨人・菅野は2年目でエースの座へ

2年目を迎える巨人の菅野智之投手が、今季の開幕投手に起用される可能生が高まってきた。もしそうなれば、上原浩治以来14年ぶりとなる2年目での開幕投手となる。

瀬戸口 仁

執筆者:瀬戸口 仁

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2年目での開幕投手、実現すれば巨人では14年ぶり8人目

開幕投手は内海との一騎打ちといわれているが、安定度では菅野に軍配が上がりそうだ。

開幕投手は内海との一騎打ちといわれているが、安定度では菅野に軍配が上がりそうだ。

プロ野球において“開幕投手”というのは特別な意味合いがある。「今年1年、お前中心でローテ―ションを回す」というチームの宣言でもあるし、指名された本人には“エース”の自覚が芽生える。ベテランで開幕投手は当然という選手以外は、震えを覚えても仕方がないだろう。

今年の巨人でそんな栄誉を浴する可能性が高いのが、2年目の菅野智之投手(24)である。

8日に行われたオリックスとのオープン戦で、5回2安打無失点と好投。最速148キロのストレートにカーブでカウントを取り、仕上げは今年の決め球と決めているフォークで打ち取る。4奪三振のうち3個をフォークで奪う上々の滑り出し。「ゼロに抑えられてよかった。何でも投げられるぞというカウントを作れたし、だいぶ試合勘は戻りつつあります。気持ちも高ぶって来ました」と手応えを口にした。

開幕投手は内海との一騎打ちといわれているが、安定度では菅野に軍配が上がりそうだ。もしプロ入り2年目以内の開幕投手となれば、巨人では2000年の上原浩治(当時2年目、現レッドソックス)以来14年ぶり8人目の快挙となる。しかも、1980年の江川卓(当時2年目)は完投するもサヨナラ負け、上原は7回4失点で敗戦投手となっているため、白星となれば、1960年の伊藤芳明(1失点完投)まで遡らなければならない。それだけ開幕投手というのはプレッシャーがかかる証拠だろう。

プロ1年目の昨年は、29試合に登板し、176イニングを投げ、チームトップタイの13勝(6敗)、防御率3.12をマークした。「昨シーズンの成績の全てで上回りたい」という菅野だが、一番強い思いで目標にしているのは、200イニング登板だ。

昨季、200イニング以上投げた投手は、パ・リーグでオリックスの金子千尋(223回1/3)と楽天の田中将大(212回)=現ヤンキース=だけで、セ・リーグにはいなかった。とくに菅野は田中への思いが強い。日本シリーズ第2戦で、田中と投げ合った菅野は6回途中で1失点降板。一方、田中は9回1失点で勝利した。「投手にとって1失点は合格と思われる。でも、それで負けたら意味がないんです」と言い、田中の投げ続ける姿を見て「(先発)投手は、1イニングでも多く投げなきゃいけない。マウンドに立ってなきゃいけないんだ」と痛感したという。

オフには米アリゾナ州フェニックスにある“フィッシャー・スポーツ”というスポーツ施設で、かつてランディ・ジョンソンや工藤公康も行った体幹トレーニングを実施。ひと回り大きくなった菅野は、田中を見習い、田中を超えるために今季のマウンドに上がる。

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