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ヤクルトスワローズ日本一おめでとうございます! 記録から振り返る日本シリーズ

ヤクルトスワローズが大阪近鉄バファローズを下し4年ぶり5度目の日本一に輝きました。今回はシリーズでうまれた記録に触れつつ、1試合1試合を振り返ってみたいと思います。

執筆者:梶原 龍太


ヤクルトファンの皆様、日本一本当におめでとうございます。大阪近鉄相手に4勝1敗と予想以上の大差で勝利をおさめたスワローズ。4年ぶり5度目の日本一で幕を閉じたシリーズでしたが、今回はその日本シリーズを一試合ずつ記録を元に振り返ってみようと思います。

まず第1・2戦ですが、この2試合に限れば両チームとも持ち味が発揮され、非常に面白い展開となりました。第1戦ではヤクルト・石井一投手8回143球で1安打ピッチング。河端との完封リレーで7―0と圧勝しました。大阪近鉄は頼みのローズ・中村が合わせて7打数0安打5三振と全く手が出ず、シリーズ記録としてもゲーム最小安打(1安打)と最低打率(3分6厘)を更新。石井一投手もシーズン中の不調だった頃がウソのような快投でしたね。

続く第2戦ですが、今度は大阪近鉄が本領を発揮。6回途中までは6―2とヤクルトがリードし、このままでは昨日の二の舞かと思われましたが、6回裏に伏兵水口選手の同点3ラン、8回にはローズ選手の試合を決めた3ランと「いてまえ打線」の本領を発揮した試合でした。この試合ではヤクルトが2回から6回まで連続イニング得点の新記録、そして打線の頑張りで勝利投手になった岡本投手は最小投球数勝利となる2球といった記録がうまれました。
この時点で1勝1敗となり星は五分、両チームとも持ち味を発揮しての2試合でしたので、まさか私もこのままヤクルトがあっさり決めてしまうとは正直思いませんでした・・・。

そして舞台は神宮球場に移っての第3戦。先発はヤクルトが元大阪近鉄入来、大阪近鉄はシーズン途中からの加入で10勝をあげたバーグマンと投手戦の様相を呈し、実際、バーグマンは初回2失点するものの後続を抑える1安打ピッチング、入来も5回に1失点するものの堂々の内容。が、大阪近鉄は5回のバーグマンの打席で代打阿部を送り(結果は三振)、その裏の回に登板した香田投手が打ち込まれ結果、9―2とヤクルトが勝利しました。もしあそこで好投していたバーグマンに代打を送らなかったら・・・たらればは禁物ですが、この試合で勝利の女神はヤクルトに微笑みかけたのかもしれません。ちなみにヤクルト入来投手はシリーズ初登板での勝ち投手となり、これは歴代4人目でした。

こうなってはヤクルトの勢いを止めようとしても止まりません。第4戦、大阪近鉄5番北川・6番吉岡・7番礒部と打順を変更し、中継ぎでフル回転していた前川を先発に起用しますが、前川投手は5回1/3を1失点と期待に応えますが、打線はローズのホームランを含む2安打と沈黙。7回にはローズが2盗を決めるものの立て続けに3盗を仕掛け、ヤクルト宮本選手の的確な指示でニューマン投手の牽制によりタッチアウト。その裏にはヤクルト・副島選手がシリーズ史上28本目、勝利打点付きでは4本目となるソロアーチをレフトスタンドに運び試合を決めました。打順変更、ローズの盗塁死と第3戦に続いて打つ手が裏目裏目と出てしまった内容でした。

ヤクルトが王手をかけて臨んだ第5戦も終始、ヤクルトペース。初回から大阪近鉄先発のパウエルが制球に苦しみ3得点を許し、先発陣も総動員の7投手のリレー、7回の2死満塁では守護神・大塚が抑えきり必死に食い下がりますが9安打を放つも2点を取るのが精一杯。ヤクルトが4―2と勝利し、冒頭通り4年ぶり5度目の日本一に輝きました。シリーズ記録ではヤクルト通算打率を3割1分7厘と新記録をマークしたのに対し、チーム最低打率1割7分1厘、最小安打26本と打線を封じ込められては大阪近鉄も手の出しようがありませんでした。
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