○東都大学リーグ（日本大・青学大・駒沢大・亜細亜大・中央大・東洋大）
変わりまして「実力の東都」東都大学リーグです。
こちらは春は日本大学の優勝に終りました。
その日本大学ですが春は驚異の打率5割、シーズン最多安打30本を記録した林選手がチームを引っ張ります。そして3番衣川、4番には2季連続でベストナインに名を連ねた村田選手と続く打線は他チームには脅威の存在です。また投手陣でもエース館山選手、今井・佐藤の両選手の3本柱で32年ぶりの連覇に向けて磐石の態勢を整えました。
その「強打・日大」に続くのが春は開幕8連勝を記録するも優勝を逃した青山学院大学。こちらの売りは何と言っても「小さな大エース」石川雅規選手です。春は負けなしの7勝、防御率0.81と抜群の安定感を誇るも、日本大学との優勝を争う1戦で無念の左ひじ痛で登板回避。やはり課題となるのは石川選手に次ぐ投手の存在ということになりそうです。また打線も志田・松田・金子選手のクリーンアップは日本大学にひけを取らない布陣で、石川選手の力投をバックアップする構えです。優勝を狙うためには投手陣次第といったところではないでしょうか。
その2強に続くのが3位の駒澤大学と、惜しくも勝率5割を逃した4位亜細亜大学。
駒澤大学はエース・川岸投手とようやく怪我から復帰の目処がたった田中投手の2本柱でリーグ戦に臨みます。川岸選手は春も安定した内容で6勝をマーク。中継ぎも春には8試合に登板した坂上選手と投手陣は期待の持てる陣容が揃いました。打線では1回生ながらも春には3割7分台をマークし9打点をたたき出した平田選手など若手登用を秋も継続していく構え。上級生である新垣選手等とうまく絡めば上位進出も期待されます。
春は４位に甘んじたのが亜細亜大学。投手陣は安定感あるエースの山本選手が引っ張り、百武・永川選手などが続きますが、課題は打撃陣。春はリーグ最低の37得点に終った打線の奮起が上位進出には不可欠です。経験豊富な佐々木正、佐々木健の両選手と春はまずまずの結果を残した三浦選手などに期待がかかります。
そして下位には5位・中央大学、6位・東洋大学と続きました。
中央大学の春季は投手陣・野手陣ともなかなか思うように結果を残せませんでした。投手陣は芦川選手を中心に復調の兆しを窺わせる古岡選手、ラストシーズンに燃える橋本選手と各選手が経験も積んでおり巻き返しを期待できそうです。打線では現巨人の阿部選手の抜けた穴を今季は何とか埋めきろうとしています。春はリーグ最多の20盗塁をマークするなど機動力を活かすことで活路を見出したいところです。
東洋大学は残念ながら春は防御率・打率ともにリーグワーストとなり結果として最下位に終わりました。投手陣ではこちらも現巨人の三浦投手の抜けた穴を埋めきれなかったものの、長谷川選手がようやくエースとして力を見せ始め、１回生の上野選手も春は防御率3.38と今季に目処の立つ内容を見せ、順調に成長していれば春の二の舞といったことは無さそうです。打線では４番大廣選手が春もまずまず結果を残したのですが、それに続く打者が出てくるか否かに最下位脱出が左右されそうです。
以上のような内容で秋季リーグ戦を各チームが迎えました。
個人的な展望としては東京六大学リーグは混戦といった形容がピッタリときそうで、上位5チームは本当にどこがリーグ制覇してもおかしくない状況ではと思います。中でもバランスの良い早稲田大学、また春の強打がどこまで再現できるか注目の明治大学あたりを注目しています。
東都大学リーグではドラフト候補の青山学院大学・石川選手がどこまで怪我から立ち直ってくるかがリーグ全体の鍵を握りそうです。各チームともに新戦力の台頭や、また秋に控えたドラフト候補選手達も最後のシーズンという節目でこれまで以上に結果を残したい気持ちが強いことでしょう。深まりゆく秋の中、学生野球だけはまだまだ夏の暑さを連想させる白熱したリーグ戦が期待できそうです。
次回は関西の秋季リーグ戦展望をお届けします。お楽しみに！
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