消化試合なき終盤戦
そのACLの出場枠が来年から拡大されることも各クラブのモチベーションを高めている。リーグ戦の上位3チームに出場権が与えられるため(天皇杯優勝チームも出場できる)、リーグ戦の2位と3位にも大きな価値が生まれてきたのだ。これまでであれば、リーグ戦が残り4試合となったこの時期には、優勝争いにも残留争いにも絡んでいないチーム同士のゲームが発生してしまうものだった。消化試合と呼ばれるものだ。ところが、最後まで予断を許さない今シーズンは、ほぼすべての試合が重要な意味を持つ。優勝をかけた大一番があり、残留をかけたチーム同士の“裏天王山”がある。その結果として、Jリーグの観客動員は好調だ。
実際にスタジアムで観ていても、試合後に満足感を得られる試合は多い。得点シーンでは思わず身の乗り出している自分がいるし、スポーツニュースや新聞でゴールシーンを振り返ると、得点した選手がありったけの感情を爆発させている。喜んでいるのか怒っているのかが分からないような、とにかくものすごい量の感情が溢れ出ている。