日本代表東欧遠征 ウクライナ戦
東欧遠征の第2戦は終了直前の不可解なPKで0-1の敗戦。ジーコ監督はレフェリーに対し怒りが収まらないようです。現地の元川悦子さんからマッチレポート、ジーコ監督、選手のコメントをどうぞ。10月12日(水)17:00 ウクライナ 1-0 日本 @キエフ オリンピックスタジアム
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1P 現地レポート
2P ウクライナ戦、マッチレポート
3P ジーコ監督のコメント
4P 中村・三都主・稲本・川口・松井・箕輪・駒野選手のコメント
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東欧遠征もいよいよラスト。キエフは雨
ウクライナ戦当日の10月12日を迎えた。この日は少し早めに起きて外を見渡したが、これまでと違って空がどんよりしていた。朝食ついでに外に出てみたら風も冷たい。日1日と冬が近づいているのだと実感させられる。この日は天気予報によると午後から雨が降るという。実際のゲーム時は大雨になるのか?そう考えるだけ憂鬱な気分になった。キックオフは夕方の17時。この日はスタジアム上の「NTCバンニコフ」で12時からウクライナメディア対日本メディアのプレスマッチが行われたのだが、残念ながら女子の部はなかった。男女混合なら参加してみたい気持ちもあったのだが、周囲の方々に迷惑をかけたくなかったので、行くのを見合わせた(どうやら試合は大いに盛り上がったようだ)。その時間を有効活用し、今まで行けなかったディナモ・キエフのスタジアムとソフィア大聖堂の見学をすることにした。
ウクライナの名門、ディナモ・キエフの本拠地は日本大使館のまん前にある。門からスタジアムの建物を見るだけでいかに大きいかわかるが、残念ながら門番が中に入れてくれなかった。国際スポーツプレス協会会員証を見せ、「私はウクライナ代表戦のために今回、日本からやってきた記者です。中を見せてほしいのですが」と英語で話しかけるのだが、警備員は英語が通じず、ひたすらダメを繰り返すだけ。
「16日に試合があるから、その日なら入れる」と言われたのは分かったが、それ以外は意思疎通不能。いつもの強引な押しも通用せず、この日は潔く引き下がった。それでも諦めきれずに後ろから回って、スタジアム内部を遠めから見た。さすが世界的に知名度の高いクラブだけに、規模が大きい。ブルーに統一されたスタンドは非常に美しかった。
この後、坂道を登ってソフィア大聖堂へ行き、中を見た。1037年に建てられた現存するキエフ最古の教会の注目はフレスコ画とモザイクの豪華さ。1000年近くが経過したとは思えない保存状態の良さで、聖母マリアの壁画などは大変な迫力があった。欧州取材のたびにさまざまな教会や修道院を見学するが、今回のソフィア大聖堂は規模そのものはそう大きくない。派手さもきらびやかさもないが、温かみのある壁画や建築が印象に残った。
1時間あまりかけてこの大聖堂を見た後、外に出てみると、予想どおり雨が降り始めた。しかも雨脚は時間とともに強まる一方だ。こういう日は早めにスタジアムに行くに限る。いったんホテルに戻り、支度をしてスタジアムに向かった。
キエフ・オリンピック・スタジアム周辺は平日だというのに、熱心なサポーターが大勢詰め掛けていた。顔にペイントをしたり、青と黄色のウクライナ国旗を巻くなど、熱狂的な人も何人かいた。が、スタジアムに屋根がないため、みんな入場するタイミングを見計らっている。我々メディアはいつも屋根のあるところで試合を見れるから有難い。早めに中へ入って準備した。
キックオフ20分前にメンバー表が配られた。日本はGK川口能活(磐田)、DF駒野友一(広島)、坪井慶介(浦和)、茂庭照幸(FC東京)、三都主アレサンドロ(浦和)、中田浩二(マルセイユ)、右MF中田浩二(マルセイユ)、左MF稲本潤一(ウエストブロミッチ)、トップ下・中村俊輔(セルティック)、高原直泰(ハンブルガーSV)、柳沢敦(メッシーナ)という予想通りの顔ぶれだった。
中村の熱も辛うじて下がったようだ。だがウクライナの方はエース・シェフチェンコ(ACミラン)もいなければ、ボロニン(レバークーゼン)の名もない。ロタン(ディナモ・キエフ)など主力選手もベンチスタートだ。実質2軍ともいえるメンバーである。
●ウクライナ戦、マッチレポートへ続く
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