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……コミュニケーション不足について、何らかの指示をしないのか?
「味方に声をかけるということは、プレーを批判することではない。味方をもっとスムーズにプレーさせるようにアドバイスすることだ。ピッチに入ったら、先輩後輩もない。自分の経験から言っても、ペナルティエリアに入った時、周りからコーチングがないとフリーでも振り向けなかったり、相手にボールを取られた経験がある。フリーと一言でも言ってもらえるだけでも、勝利に近づくのだ。こういうことは今日、明日というわけにはいかないが、心がける必要がある。
試合前のミーティングでも、こんなことがあった。相手チームの分析をしていた時に、相手の選手の1人と同じクラブでプレーしている選手がいたので、『相手の特徴を教えてくれ』と言ったが、その選手はハッキリ言わなかった。自分の情報が間違っていて、それで負ける可能性があることを、恐れているのだろう。
ミスを絶対にしないチームはない。積極的なミスなら気にすることはない。だた、歴史的な偉業を成し遂げるチームには、必ず監督の意思を伝える選手がピッチにいるものだ。かつてのクライフも、ベッケンバウアーもそうだったし、最近ではブラジルのドゥンガもそう。日本代表では中田がその役目をよく理解してやっているが、彼が全てのゲームに出られるわけじゃない。そのためにも1人1人が声を出す必要がある」
……現代サッカーにおける「背番号10」の意味は?
「個人的に10番を意識したことは、あまりなかった。たまたま中盤でプレーしていただけ。今回10番をつける藤田がその重みを感じているとしたら、ジュビロでずっと10番をつけていた時と同じように、しっかり仕事をしてほしい。守備面では相手のコースをしっかり消しながら、フィニッシュまで行くという長い間やってきた形を出してほしい。背番号に関しては、協会に任せているので、自分はノータッチなのだ」
(文:元川悦子)
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