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イタリア復活の鍵はスタジアムにあり1

CL、UEFA杯と早々に欧州の舞台から姿を消したイタリア勢。強いセリエAの復活を目指して、まず着手するのはクラブ独自のスタジアム建設にありそうだ。

執筆者:斉藤 健仁

CL、UEFA杯と早々に欧州の舞台から姿を消したイタリア勢。強いセリエAの復活を目指して、まず着手するのはクラブ独自のスタジアム建設にありそうだ。

独自スタジアムを持っていないイタリア勢

今年フランス1部に昇格したグルノーブルも新スタジアムでプレーしている(写真:斉藤健仁)
本拠地である都市や町が同じチーム同士の戦いを一般に「ダービー」と呼ぶが、イタリアの場合、スタジアムも共有している。さらに、イタリアでは独自でスタジアムを所有しているセリエAのクラブはない。大半が公営のスタジアムを借りているのが現状だ。

イングランドではほぼすべてのクラブがスタジアムを所有しており、またドイツやスペインも一部公営のスタジアムを使っているクラブはあるが、2つのクラブでスタジアムを共用することはまずない。

クラブ運営にとって、チケットの売り上げは経営に大きく影響。ほとんどのクラブが独自のスタジアムを持つプレミアリーグでは、常に座席の90パーセント以上が埋まってしまうのに対し、セリエAでは約4割のチケットが常に売れ残ってしまう。

独自のスタジアムを持っていないことは、チケットの売り上げだけでなく、グラウンドの管理や周辺施設の改修・設置にも問題を及ぼしているという。独自のスタジアムを持っていないイタリア・セリエA勢が、イングランド、スペイン、ドイツ勢に後塵を拝する結果となっていると意見も多い。

14のプロジェクトが進行中

こうした状況もあり、現在セリエAでは14のスタジアム建設のプロジェクトが進んでいる。

その筆頭が、ユヴェントスがかつて本拠地としていたスタジアム、デッレ・アルピの再建だ(現在はFCトリノとトリノ・オリンピックのメイン会場であった、市営のスタジオ・オリンピコを共用)。

スタディオ・デッレ・アルピは、もともと本拠地のトリノ市が総合運動場として建設したスタジアムだった。だが、中心地から遠い、トラックがあって見えにくい、アルプスからのか北風で芝生が育ちにくいなど、イタリア「最悪のスタジアム」として評判はさんざんなものだった。8万人収容のキャパシティーを持ちながらいつも空席が目立つ有様だった。

そこで、ユヴェントスが市からデッレ・アルピを買取り、専用スタジアムの建設を決めた。2011年に完成予定の新スタジアムは、ミュージアムや大型ショッピングセンターなど、イングランドのビッグクラブのスタジアムと同じような一大施設になる予定で、名前もネーミング・ライツ制度を利用してスポンサー名が冠されることになる。

ユヴェントスの新スタジアム建設は現在進行中。構想段階としては、現在以下の13プロジェクトが立ち上がっている。

(◆左からクラブ名、場所、完成予定)
◆インテル ロー・フィエーラ、2012-13年
◆ミラン  サン・シーロ、2013年以降
◆アタランタ ベルガモ地方,未定
◆キエーヴォ ベンテゴーディ地域、未定
◆ウディネーゼ フリウリ、未定
◆サンプドリア セストリ・ポネンテ、未定
◆ボローニャ ベンティヴォーリョ、2013年
◆フィオレンティーナ フィレンツェ、2019年
◆シエナ イゾラ・ダルビア、未定
◆ラツィオ ティベリーナまたはセッテバーニ、2012年
◆カリアリ カリアリおよびサンテリア(クラブと市側で2スタジアムの計画),未定
◆レッジーナ ガリコ、2016年
◆パレルモ パレルモ・ゼン地域、2011年

イタリア復活の鍵はスタジアムにあり2に続く。
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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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