1998-99シーズン中田英寿、戦慄のセリエAデビュー戦!
1996年のアトランタ五輪でU-23日本代表の中心選手の一人としてブラジルを破り、1998年のフランスW杯にも出場した日本のエース中田英寿が1998-99からセリエAのペルージャに移籍。カズこと三浦知良のこともあり、中田がどこまで通用するか注目の一戦だった。9月13日に行われた初戦はペルージャのホーム、レナト・クーリスタジアムで2年連続リーグ戦を制覇していたユヴェントスを迎えた。当時のユヴェントスのメンバーはGKアンジェロ・ペルッツィ、MFジネディーヌ・ジダン、MFエドガー・ダーヴィッツ、FWアレッサンドロ・デルピエロ、FWフィリッポ・インザーギ、MFディディエ・デシャン、MFアレッシオ・タッキナルディなど、イタリア代表とフランス代表の中心選手であった。
セリエAに上がったばかりのペルージャは前半だけで3得点を挙げるが、後半7分、中田が右足でミドルシュートを決め3-1に。さらに後半14分、相手GKがパンチングしたこぼれ球をたたきつけて2点目を挙げた。
中田は試合に負けたものの、日本だけでなくイタリアのファンにも強烈な印象を残し、今後の活躍を予感させる活躍となった。
その後も中田はセリエAではローマ、パルマ、ボローニャ、フィオレンティーナでプレーし続けたが、特にユヴェントスとは相性が良かった。特に2000-01シーズン、終盤の29節に優勝を争っていたユヴェントスに、アウェイのデッレ・アルピでローマは0-2で負けていたものの、途中出場ながら後半34分に中田が左隅にミドルシュートを決め、さらにロスタイムにもミドルシュートを放ち、GKが弾いた球をFWヴィンチェンツォ・モンテッラが決めて同点に。このシーズンはそのままローマがスクデットを獲得することに成功した。
その後、イタリアでは中田を応援するためにどこに行っても評判の良い日本人ファンだったが、デッレ・アルピのユヴェントスサポーターからは罵声を浴びせかけられていたという。
中田のように再びユヴェントス相手にゴールを挙げ、チームを優勝に導くような日本人選手が現れる日が来るのであろうか……。中田英寿の栄光はいっこうに色褪せることはない。