アジア杯・グループリーグ最終戦、1-4で日本に完敗したものの、見事2位で準々決勝進出を果たしたベトナム。初めて国際大会のホスト国となり、さらに代表チームが快進撃を見せた。このアジア杯の盛り上がりぶりから、現在のベトナムにおけるサッカーをみてみた。

集団での応援はまだまだ不慣れか

とりあえず?衣装は気合い十分のカタール戦(写真:斉藤健仁)
ベトナムではサッカーは一番の人気スポーツで、2002年に発足した国内リーグ「Vリーグ」も成功を収めている。

スタジアムに足を運んで声援を送るという習慣は、これまで定着していなかったようだ。そのためか、一部にはウルトラスのような集団もいたが、初戦のUAE戦では、ホームのミ・ディン国立競技場の観客は8割程度の入りだった。

だが、ベトナム代表は初戦のUAEに2-0で快勝。「奇跡」、「歴史的勝利」などの言葉が翌日の見出しを飾っていた。こうなると俄然やる気を出すのがベトナム気質なのか。次のカタール戦のチケットは瞬く間に売り切れたという(チケットは1番安い席が日本円で約350円)。

そして、7月12日。スタジアムは立錐の余地もないほどの観客で埋め尽くされていた。おのおのが「無敵」「戦勝」と書かれた鉢巻きを締め、あちらこちらで国旗である金星紅旗がはためき、凧や灯籠なども空に舞っていた。

試合が始まると「ベトナム! ベトナム!」の大合唱と、時折ウェーブが巻き起こり、まるで地響きのよう。だが、応援はどことなくぎこちない……。それを自覚しているのか、地元の記者が「ねえ、ベトナムの応援ってどう思う?」とちょっと不安げに聞いてきたほど。

試合は前半に先制したものの、後半にカタールに追いつかれる。それでも何とか1-1で逃げ切って引き分けに持ち込んだベトナム。大会前は不可能と思われたグループリーグ突破への道が見えたためか、人々は機嫌良くバイクで帰路についた。