アンリにとって「もっとも悲しい日」
アンリは7シーズン着たアーセナルのユニフォームを脱いだ。 |
アンリの移籍の噂は以前からささやかれていた。しかし、昨シーズン終了時に4年契約にサインしたため、いったんはその噂も立ち消えになったかと思われた。だが、ヴェンゲル監督をクラブに呼んだ副会長のデイン氏がチームを去ったため、監督自身の去就が不透明になったことが、移籍を決断した大きな引き金となったようだ。
ヴェンゲル監督とアンリはモナコ時代から師弟関係にあり、アンリがユヴェントスで不本意な時期を過ごした後、監督を慕ってアーセナルにやってきた。その監督とクラブ間が微妙になったことで、“旅立ち”を決意したのかもしれない。ただ、アーセナルに新しく就任するグリマルディ会長は、監督の2011年までの契約延長を口にしているが……。
これでまた一人、アーセナルからフランス人選手が去ることになった。フランス人・ヴェンゲル監督体勢を支えた、ヴィエラ(インテル)、ピレス(ビジャレアル)、ウィルトール(リヨン)らが移籍し、今はギャラスとクリシーら若手選手がいるだけで、“フランス色”がだいぶ薄れてしまった。
それでも、アンリが「今はファン・ペルシーやセスク・ファブレガスがいる」というように、アーセナルの黄金時代の終焉ではなく、新しい時代の幕開けということなのだろう。
アンリと2トップを組むFWは誰?
2年ぶりに来日のバルセロナ。その顔ぶれはどのように変わるか。 |
また、かねてから移籍が噂されたエトーも、アンリの加入でその噂が加速しつつあるが、エトーは現在のところ残留を明言。だが、カルチョ・メルカート(サッカー移籍市場)は、何が起こるかわからないのも事実である。ゲームメーカーのデコですら移籍話は絶えない。
現在のところ、モナコからコートジボワール代表のヤヤ・トゥーレとアンリの加入にとどまっている。だが、多くの選手が去る可能性の強いバルサだけに、今後はどんな選手が移籍してくかは想像できない。
今シーズンはワールドカップやユーロといった大会がないだけに、メルカートの動きは早くから活発だ。バルセロナのライバル、レアル・マドリーもカペッロ監督を始め、カンナヴァーロやカッサーノなど、イタリア勢の去就は注目されている。
また、アンリの親友でもあるユヴェントスのトレゼゲも、セリエB最終節での“バイバイ”というジェスチャーで、移籍をほのめかしている。現在のところ、クラブ側は慰留する方針だが、バレンシアやアーセナルなど、複数のクラブが獲得に名乗りを上げているとも言われている。
8月7日の横浜Fマリノスとの試合で、2年ぶりに来日するバルセロナ。7月21日からトレーニングに合流する予定のアンリは2002年ワールドカップ日韓大会で、鹿児島県・指宿での事前合宿で来日こそしたが、試合は行っていない。この8月はアンリのプレーが日本で初めてみられる絶好のチャンスとなる。
<関連リンク>
アーセナル公式サイト(英語)
バルセロナ公式サイト(日本語)
FCバルセロナ・オン・ツアー・ジャパン2007