「アフリカだけじゃない!」
魔術の力に頼るなんてアフリカはやっぱり神秘的なところだな、と思っていたら、マリでの逮捕劇の直後、恐るべきことにフランスリーグでも黒魔術の嵐が吹き荒れた!
2月6日パリサンジェルマン対ボルドー戦。なんとTVにパリの監督ルイス・フェルナンデス氏がゴールエリアに立ち、カプセルの中からなにかを撒いていたというのだ。
フランスでは特に「禁止」されている訳ではない黒魔術、これはサッカー番組の格好の笑い話となった。折りしもマリでの逮捕劇の時期が重なっている。「一体何を撒いたんでしょう?次のパリ戦では、何を撒いたか聞いてみましょうね」とお笑いのまま番組は終了した…。
そして次の2月10日対マルセイユ戦(フランスカップ・ホーム)。再びなにやら怪しいものを撒き散らしているフェルナンデス監督。もちろんインタビュアーは「何撒いてたんですか!?」と追いかけるが、笑って答えてくれない。そこで実況者と解説者が再び疑惑のシーンを検証。検証結果は「あ!液体ですね!液体です!(笑)」。
この笑い話はまだ終わらない。2月16日対リヨン戦(アウェー)。この怪しい噂を聞きつけたリヨン監督が、試合開始までゴールエリアにシートを敷いておくようスタジアム側に要求。芝に不思議な液体をばらまかれ、クラブが敗戦に追い込まれるのを避けるためだ。さすがにこの日、フェルナンデス監督の不審な姿は見られなかった。黒魔術、化学の力で作られたシートに敗れたり。
「神様の力に頼ります!」
ところで「黒魔術」などという言葉を使うから恐ろしく感じるのだ。1998年W杯でイングランド代表を率いたホドル監督が占い師のお告げに言いなりだったことは有名だ。やはり「不可思議な力に頼る」という点では同じことだろう。
また「神様のご加護」にすがることも同じことだとすれば、FCバルセロナのホームスタジアム「カンプ・ノウ」には教会があるというし、日本でもシーズン前に「神社にお祓い」などというクラブがあるかもしれない。そういえばビスマルク選手はゴールを決めるたびに神様に感謝していたっけ。
勝ち続けている間はひげを剃らない、同じパンツをはき続ける、なんていう「縁起担ぎ」もスポーツ界では日常的に聞く話。
「僕は必ず右足から靴下を履く。いつも。そして必ず右足から靴をはく。いつも。そして最後に**を一口飲む。いつも。」というジダン選手のCMがフランス国内で流されていたのだが、もしジダン選手がいつも靴下や靴を右足からはくことにしていたら…。
彼ほどの選手もやはり「縁起」を担いでいるかもしれない。