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管理釣り場での時間帯別攻略方法

管理釣り場でも、トラウトたちが元気な時間帯もあればそうでないときもある。基本的に朝一の魚たちは活発だが、昼は食い渋りをはじめる。今回は時間帯別にトラウトの攻略方法を考えていく。ぜひ次からの参考にしてほしい。

執筆者:中山 一弘

管理釣り場の時間帯別の特徴

管理釣り場での時間帯別攻略法

管理釣り場での時間帯別攻略法

魚たちの活性が上がる時間帯を指す言葉に「マヅメ」というものがある。一般によく言われるのは”朝マヅメ”と”夕マヅメ”。早朝、日の出前の薄明かりの頃から、日が昇りはじめ気温が上がり始める辺りまでが朝マヅメで、日が傾き山の稜線に隠れ、辺りが見えなくなる頃までを”夕マヅメ”といった感じだ。

もっとも、季節や釣り場の標高なども関係してくるので明確に定義することはできないが、朝夕は魚たちにとって大事な食事タイムだということになる。自然の湖沼や河川では、水生昆虫の羽化が激しい時間帯と重なることもあってマヅメ時は大忙しになる。もちろん、管理釣り場でもそれは同じだ。では、実際のフィールドでどのようにゲームを組み立てるのか考えてみよう。
 
<目次>
 

管理釣り場は朝一が狙い目!

26番
釣り座によっては照り返しで水面が見えないこともある。偏光グラスは必須アイテムだ
朝はトラウトの活性が高い時間帯。みなさんも管理釣り場へ早めに着いたとき、水面で盛んにライズするトラウトたちを見たことがあるだろう。受付を済ませ、それほど人混みのないうちにルアーをキャスト、あるいはフライをリリースすると、第一投から食ってくることだって少なくない。この時間帯はすべてのトラウトを釣りやすい瞬間でもある。場合によっては水面に様々なトラウトが見えているはずなので、今回のシリーズでお伝えした中でも表層や水面上を狙う釣りがオススメ。ヤマメならドライフライやスピナーの表層リトリーブ、ニジマスはマイクロスプーンを使ったシャローゲーム、ブラウンやイワナ、それにイトウなどは岸際を丁寧に誘えば、釣り分けの確率もグッとあがるはずだ。

ただし、この時間帯で注意したいのは釣り座の取り方。朝一から混んでいる釣り場では、東向きに釣り座を取らなくてはならないこともある。朝日の逆光という悪条件の中ではせっかく見えているはずのトラウトも簡単には狙えない。その場合は偏光グラスをぜひ活用してほしい。この場合はなるべく濃い色のレンズカラーのものを選び、可能な限り日光に対して斜め方向へアプローチしてみよう。慣れてくると魚の体色や行動パターンから、おおよその魚種は分かるはずなので陽光が真っ直ぐ射してくる時間帯でも楽に釣りができるはずだ。
 

日中の食い渋りをしのぐ!

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食いが悪くなったらタックルをダウンサイジングさせてみるのも一つの方法。ガイドは8番タックルから5番タックルへ持ち替え、フライも2サイズぐらい小さいものを使っている
朝のマヅメ時が終わり、日が高くなり始めるとあれほどたくさんあったライズも一気に少なくなる。これは朝の食事タイムが終わったトラウト達がそれぞれの居場所で落ち着いたということ。適水温を求め回遊をするニジマスの群れや、流れ込みの泡の下へ隠れているヤマメ、障害物やカケアガリのボトムでジッとしているイトウ。こうした気難しい魚たちを相手にしなければならないこれからの数時間はミドルレンジからボトムの釣りがメインになる。

トラウトの活性もそれほど高くないため、バイトも小さいことが多い。もし可能なら、ラインやティペットをワンランク細くしてみるのも一つの方法。ガイドは3g以下のルアーで釣りを楽しむ時はPEの3lbを使っているが、ラインに伸びがないのでショートバイトを弾いてしまうことがある。そのためこの時間帯になるとナイロンかフロロカーボンの2.5lb、あるいは2lbにしている。良く行く釣り場が大物が多いエリアなのだが、ドラグを使って慎重なやり取りをすればまったく問題はない。

フライの場合は標準でティペット5X前後を使うが、食い渋りのときは6Xまで落としてルースニングでじっくり待つ釣りもする。アタリが少ない時間帯にリトリーブパターンをしていると体力の消耗が激しいので、こうして体力を温存しながら釣れる魚を釣る(サボリ?)ことも大切だ。
 

大型狙いの夕マヅメ!

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食いが悪くなったらタックルをダウンサイジングさせてみるのも一つの方法。ガイドは8番タックルから5番タックルへ持ち替え、フライも2サイズぐらい小さいものを使っている
日が傾きはじめると、魚たちはまたエサを求めて騒ぎ始める。水生昆虫の羽化があったり、木が多く落下してくる陸生昆虫が多いような釣り場ではふたたびライズが始まるのもこの時間帯だ。しかし、管理釣り場では人の出入りが多いので早朝のように水面近くに活性の高いトラウトが浮いてくるようなことは少ない。そのため、日中の釣りを引きずりつつ、より活性が上がった魚を狙い打つようなゲームが面白いのだ。

ルアーの場合はマイクロスプーン中心だった日中のゲームから、3g以上のスプーン、あるいはミノーやクランクベイトといったハードルアーが断然面白い。特にジャークミノーで釣れば、大型だけを狙えるのでよりエキサイティングだ。ただし、他のトラウトもルアーを追ってくるので、小型のニジマスなどがスレがかりしてしまうケースもある。その場合は、ジャークのリズムを落としてやるとよい。文字にするのは難しいが、ビシビシとロッドを煽るよりも、ロッドティップを手前にスーッと引っ張って止め、リールを巻きながら元のポジションへ戻すといった具合だ。ジャークやトゥイッチというよりもストップ・アンド・ゴー的なアクションに近いが、ルアーがよく沈むのでボトムに居る大型トラウトにじっくり見せることもできるメソッドだ。
 
26番
エクステンドボディーを使ったホッパーパターン。良く浮くしアピール力も高い
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これはフォーム材を使ったビートルパターン。ウイングを付けているのでカディスの変わりにもなる優れものだ
フライならリトリーブさせてもドライでも好みの攻め方ができる。8番フックに巻かれたゾンカーやウーリーバッガーをリトリーブさせた瞬間にガツガツとアタってくるので大物好きにはたまらないはずだ。また、ハッチや落下している陸生昆虫が見えなくてもやはりドライの釣りはぜひ試したいところ。その場合、マッチ・ザ・ハッチではなくある程度アトラクター的なフライをチョイスしてみれば、ルアーでいうトップウォーターゲームのようなスリル溢れる釣りができるはず。ガイドがよく使うのはグラスホッパーやフォームビートルなどだが、サイズを変えることで急なハッチにも対応できる。この他万能選手のエルクヘアカディスやアダムスパラシュートなども持って行けばさらに安心だ。これらのフライはたとえライズがなくてもそれ自体のアピール力で管理釣り場のトラウトを水面へ引き出す能力を持っているのだ。
 

夜間もできる!

最近では夕方から半夜にかけてナイトゲームを楽しめる管理釣り場も多くなっている。ほとんどの場合、夏季限定のサービスになるが普段釣ることがない時間帯なのでかなりスリリングだ。夜活発にエサを追うのは大型トラウトが多いので、普段釣れることが少ないブラウンやイトウなども比較的狙いやすいのもうれしいところ。昼間の釣りよりもタックル、ルアー、フライをワンサイズ上げて大物狙いに徹する、なんていうストイックな釣りもできる。興味のある人はぜひ一度チャレンジしてほしい。


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