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楽しさ倍増!フライを巻いてみよう!その三

今回は水中を舞台としたフライたちを巻いていきます。トラウトたちにアピールしてくれるパターンをいくつか紹介しましょう。

執筆者:中山 一弘

前回「楽しさ倍増!フライを巻いてみよう! その二」に引き続き、フライフィッシングをはじめるための基礎講座第14回目。今回は水中を攻めるためのフライをタイイングしてみましょう。

水面下のフライ

水中で使うフライには大きくふたつの種類がある。ひとつはトラウトのエサに極力近づけたシルエットを持つ精巧なイミテーションフライ、そしてもうひとつは何がなんだか分からないうちに口を使わせるアピール力を持つフライだ。水面という大きな壁を使えるドライフライと違って、トラウトたちの生活圏内で偽物を食べさせるにははっきりした考え方が必要なのだ。それには実際の水生昆虫を良く知り、その生態を理解することも重要。水面下で使うフライを巻くときはそういったことをイメージしながらタイイングをすると、楽しさがグッと増えるはずだ。ということで、今回からはいよいよ水中で使うフライを実際に巻いていきたいと思う。

マラブーを巻く

アピールタイプのパターンでこれほどトラウトが好むフライは他にはない。「マラブー」というパターンは様々なマテリアルの組み合わせが可能なフライなので好みにアレンジすることもできる。例えば、ボディーをラビットファーにしたり、ヘッドにビーズを追加したり、テールにきらびやかなフラッシャブー(細いひも状にカットされたキラキラした化学繊維)を混ぜたりと、ちょっとしたアイデアですぐにオリジナルのフライに生まれ変わはずだ。では、実際にマラブーを巻いてみよう。

素材はたったこれだけ。マラブーとウエイト(重り)に使うリードワイヤーというシンプルさも魅力だ。ちなみにリードワイヤーの太さは様々あるが、太すぎても細すぎても扱いづらい。ガイドは特殊なパターンを除いて、ほぼ0.15mmのリードワイヤーを使っている。
下巻きをしたらリードワイヤーをシャンクの1/3辺りを中心に巻きつける。当然、たくさん巻けばそれだけ早く沈むフライになる。このパターンの場合、5~6回転を基本に釣り場に合わせて量を決めよう。
スレッドを巻き戻し、画像のようにリードワイヤーを固定しておく。リードワイヤーの上をタスキがけする感じで斜めに巻き進めるとキレイに固定できる。完了したらスレッドを後端へ移動させておく。
マラブーを15~20本ぐらいとり、テールの位置に固定する。ガイドはいつも多めで長めに作る。マラブーは指で簡単にちぎれるので、釣り場で量や長さを調整するためだ。ちなみに、大概のマラブーは根元に近い部分に質の良い羽毛が集中している。初心者のウチはケチらず、良いところだけを使うと仕上がりがキレイになるぞ。
テールと同量かちょっと多めのマラブーを切り取り、今度は先端をボディーの後端に取り付ける。スレッドはアイの近くへ移動させておこう。
画像のように何回転かよりつけ、ハックルプライヤーで挟んでおこう。あとはこのまま前方に向かって巻いていく。
アイの手前2mmぐらいを残し、スレッドで終端を巻きとめておく。3回転以上はきっちり巻きとめないと、すぐに壊れてしまうので注意だ。
ボディーに使ったマラブーの余りをキレイにカットしてフィニッシュすれば完成だ。テールの加減だが、フライを動かしてスイミングさせるときは長め、ウキ釣りのようにジッとさせておくときは短めにしてみるとよい。水中でマラブーがひらひらしていないときは量が多いので少しちぎってあげよう。
>>まだまだ続きます、タイイング講座!>>
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