前回「山で楽しむ!渓流のフライフィッシング!」に引き続き、フライフィッシングをはじめるための基礎講座第10回目。今回は湖に出掛けます。大物への期待たっぷりの釣りを楽しみましょう!

湖を舞台にしたフライフィッシング

早朝、朝靄がけむる中、祈りと願いをこめた第一投。大物の気配がただよく期待溢れる瞬間だ。
日本には湖沼が大変多い。山間部と平野に点在する水流の集合地点、あるいは渓谷をコンクリートで固めた人造の水がめ。いろいろな湖があり、そこに住むトラウトたちの種類も非常に豊富だ。

渓流と違い、湖はトラウトたちにとって海の代わりになっていることもある。トラウトたちは降海するという行動が遺伝子に組み込まれている。日本では砂防ダムや河川の改修などの影響で、降海がままならない地形の地域も多い。そういう地域に湖がある場合、トラウトはこれを海の代用としてエサをたくさん食べて大きくなるのだ。

湖でのフライフィッシングはそうしたネイティブに近い大型トラウトもターゲットになる。もちろん、放流を盛んに行っている場所ではいつもどおりの小~中型トラウトもよく釣れる。しかし、せっかく湖で狙うからにはぜひとも大型に的を絞った攻め方をしてほしい。そう、気分はまさにハンターなのだ。

湖に適したタックルは?

湖に持ち込むタックルだが、これは非常に幅広い。湖の規模、浅瀬の有無、トラウトの泳層、エサとなる生き物の種類など、様々な要因を考えて選ばなければならないので、一概にこれであるということは中々言いづらい。しかし、ガイドの経験からオススメのタックルを紹介させてもらうと5番ロッドと8番ロッドの2種類だ。小回りの効く5番ロッドは浅瀬が連続するような湖で効果的。深場狙いや遠投をせずテンポ良く釣るにはこれぐらいがちょうど良いと感じる。また、8番ロッドは後述するシューティングヘッドと組み合わせて、様々な泳層を狙うときやカケアガリのブレイクライン(急に深くなる場所)を攻めるのに最適だ。ある程度遠投し、じっくり沈める釣り方に適したロッドだ。
ラインは5番タックルならWF5Fとシンキングラインのタイプ2。8番タックルの場合はWF8Fとシューティングヘッドシステムを持ち込む。シンキングラインとは、その名のとおり沈むフライラインのことになる。形状や重量はいつも使っているフローティングラインと同じ感覚だが、着水と同時に沈んでいくところが特長だ。沈み具合によってタイプ1、タイプ2、と分けられていて数字が大きいほど早く沈んでゆく。詳しくは図を見て感覚を掴んでほしい。ちなみに、ガイドの経験から言わせてもらうと、岸から狙うフライフィッシングの場合、あまり深いところは意識せず、タイプ2あたりで5m以内を攻めるやり方がオススメ。あまり沈ませてしまうと手返しも悪くなるし、疲労度も増してしまうからだ。そしてなによりも、リズムが良くなることでジアイ(魚がエサをとる時間帯)を逃さず、テンポの良い釣りができてキモチがたいへんよいのだ。
これがシューティングヘッドシステム。ヘッド部分はすぐに取り替えられるので、沈下スピードの違うヘッドなどを数種類用意しておきたい。
もうひとつのシューティングヘッドシステムだが、こちらは全長10ヤード前後のヘッド部分をランニングラインに結んで使うというもの。飛距離が稼げるうえ、ヘッド部分の取替えが容易なので沈下スピードの違ういくつかのシューティングヘッドを簡単に持ち込むことができる。複数のシューティングヘッドを用意するだけで広範囲の様々なタナを探ることができる優れものだ。湖だけでなく大型河川や海でも使うことが多いシステムなので、本格的にやりたくなったらぜひ入手してほしいアイテム。

ただし、ちょっと投げ方にはちょっとコツが必要になる。簡単にいうと、最初からシューティングヘッド部分を全部出してフォルスキャストし、軌道に乗ったらすぐにリリースする。フライキャスティングとルアーのキャスティングが組み合わさった感覚だ。達人になるとワンキャストで50m以上の距離を出すことが可能。一般のフライラインの全長が26~28m程度なので倍以上の飛ぶのだ。もっともロッドとのバランスが悪いとどうにもならないので、シューティングヘッドシステムを購入するときは必ず店員さんにアドバイスしてもらおう。

さて、最後にリーダーとティペットだが、こちらは5x~3xを用意しておこう。大型トラウトばかりの湖ではそれ以上が必要になることもあるが、その場合は別途準備すればオッケー。通常の湖で最大60cmクラスを狙うのなら5xでも十分余裕がある。太いリーダーやティペットを用意しておくのは浅瀬を攻めるときの根ズレ(ラインが障害物や底をこすること)対策の意味合いが大きい。地形的に不利だな、と感じたらワンランクかツーランク太いラインを使うように心がけよう。
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