どこを狙う?

始めてくる湖の場合、高所から見下ろしてみるとポイントが絞りやすい。ある程度釣り場が決まったら、そこへ安全に降りられるルートを見つけて楽しもう。
事前の情報がないまま湖に着いたとすると、どこを狙ったらよいかは非常に分かりづらいはずだ。しかし、慣れてくれば魚たちが溜まりやすい場所、あるいは回遊しやすい場所というのは周囲を見渡すとある程度把握することができる。

もっとも簡単なポイントは河川の流れ込みや湖へ地形が張り出している岬周辺やワンド、それに透明度が高い湖なら浅瀬も肉眼で確認できるポイントだ。そのほか杭や水没した木、人工物などの障害物周りも有望なポイントとなる。ひとつの湖を例にしたとしても、それだけでかなりの狙い目となるポイントが分かるだろう。

岸沿いがシャローとなっているワンドの奥に流れ込みが見える。トラウトにとっては格好のエサ場だろう。濁りなどで地形が分かりづらいときは山の稜線を辿るとある程度察しが付く。切り立った山がそのまま落ち込んでいるような場合は急深となり、稜線がなだらかなら浅瀬が広がっているケースが多い。
さらに、そこに住んでいるトラウトの種類が分かるような場合は、それらの習性からある程度有望なポイントを絞ることさえ可能だ。例えばニジマスは活発な魚なので、非常に広範囲を回遊する。岬周辺は水通しがよいので、回遊待ちには絶好のポイントだ。ブラウントラウトが居るなら障害物周りを狙いたい。ブラウントラウトは定着性の高い魚で気に入った障害物があれば、そこを住処にしていることが多いからだ。浅瀬や河川の流れ込みはベイト(エサ)となる生物が豊富なので、朝夕などにはすべての魚種が集まりやすいポイントとなる。釣り場に着いて周囲をちょっと観察するだけで、ある程度のポイントを絞り込むことはできる。自分にとって分かりやすい場所や入釣(湖岸に近づきやすい場所)しやすい場所をとりあえず攻めてみて、その湖の傾向を早く掴むことが重要だ。

どうやって釣る? その一、水面を攻める

ポイントが決まったらいよいよ実釣開始だ。湖の狙い方は概ね3通りある。ひとつは水面でこれはドライフライの独壇場だ。トラウトが盛んにライズしているときはドライフライのほうが勝負が早いことが多いので、よく水面を見て捕食対象の虫を見てみよう。もし、見分けが付かなかったら小型のドライフライからキャストしはじめて、反応が出るまで徐々に大きくするとよい。とはいえ、チャンスタイムは短いので、常に飛んでいる虫を観察しておくとよい。


また、ライズをよく見てトラウトの進行方向を観察することも重要だ。いきなりライズしている水面をうっかりフライラインで叩いてしまうとすぐに魚は散ってしまう。地形にもよるが、渓流や管理釣り場とは違いかなり遠投する必要があるケースなどではミスキャストはありがちなトラブルといえる。最初のうちはライズしている水域の外輪にフワッとキャスト、なんてことはなかなかできないと思うので、あらかじめ進行方向を見極めて、そこにキャストしておきじっくり構えておくほうが得策だ。そうしておけば、もしミスキャストしてもフライの位置を修正する時間もあれば、投げ返す余裕もある。これは混雑している人気ポイントでも使えるテクニックなので是非覚えておいてほしい。

ライズの方向を見極めるには「流れ」を読むことが大切。どうしても湖というと止水であるイメージが強いが、風の影響でゆったりと水が流れているものなのだ。よく見ているとライズの移動は風上から風下に向かっていることが多いので、自分の立ち位置と風の関係は常に考慮にいれておくと良いだろう。ちなみに、この流れは湖全体をかき回すことになり、その動きはそこに住む生き物全体にとっても重要なサイクルになる。たとえば、強風が吹きつける湖岸にはプランクトンが多く集まり、それを食べに小魚も寄ってくる。向かい風でキャストは苦しいが足元で意外な大物が釣れることだってあるのだ。

ライズの話が出たところでもうひとつ解説しておきたいことがある。それはライズの種類だ。通常、魚の捕食行動によって引きこされる波紋をライズと幅広く呼んでいるが、ポツーンポツーンと小さな波紋を起こすこともあれば、バシャバシャバシャと派手に水面が泡立つこともある。これは捕食されている生き物によって決まることが多い。小さな波紋のときは小型の水生昆虫の羽化したて、あるいはこれから羽化しようとしている亜成虫を捕食しているケースが多く、派手にバシャバシャっとやるときはワカサギなどを追っていることが多い。また、ゴボンっと単発で出ているときはセミなどの大型昆虫を捕食しているシーンが考えられるのだ。これらが複合したケースや地域特有のライズもある。そのあたりは釣り場で学ぶしかないのが実際なのだが、参考としていま解説したことを覚えておくとよいだろう。
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