アート・美術展/アート・美術展関連情報

2008年10月の展覧会・イベント情報(2ページ目)

月例のおすすめ情報をお届けします。六本木で2館同時開催される「巨匠ピカソ」展をはじめ、金沢で新しく始まるアートプロジェクトなどおすすめ展覧会4件をご紹介。

執筆者:橋本 誠

ネオ・トロピカリア:ブラジルの創造力

マレッペ「無題」
マレッペ「無題」2001年 写真 49×72cm 
Photo: Marepe Courtesy: Galeria Luisa Strina
リオのカーニバルやサンバで知られるブラジル。「生きることはアートそのものだ」とエリオ・オイチシカが語るよう、ブラジルの表現は豊かな色彩や、しなやかで有機的な形にあふれています。それは「生きることの喜び」を伝えているかのようです。

エリオ・オイチシカ 「パランゴレP4ケープ1を着たカエタノ・ヴェローゾ」1968年 撮影者不詳 Courtesy: Projeto Helio Oiticica
エリオ・オイチシカ 「パランゴレP4ケープ1を着たカエタノ・ヴェローゾ」1968年 撮影者不詳 Courtesy: Projeto Helio Oiticica
ブラジルで60年代に起こった芸術運動「トロピカリア」は、欧米文化から脱却し、独自の文化の創造を目指し「熱帯に住む者の文化のオリジナリティ」の追求を試みました。その代表的存在であるエリオ・オイチシカの「パランゴレ」はスラム街からインスピレーションを得た彼が、サンバ・ダンサーのために色とりどりの布を合わせてつくった着る絵画。彼はサンバ・ダンサーらと一緒に生活しながらパフォーマンスを行いました。それは生きながら彫刻になっていくといった彼のひとつの挑戦でした。

今回の展覧会では彼の影響を受ける90年代以降に登場した作家による作品を多く展示される予定です。マレッペは、ブラジルのアーティストが持つ即興の力を巧みに体現しているアーティスト。たらいのようなものを二つ組み合わせて作られた作品は、ひそひそとおしゃべりができる拡声器のようなもので、詩的な面と政治的な面の両面性をもつ作品です。また、エリカ・ヴェルズッティもドレスにワニなどのトロピカル(熱帯)のイメージを描く見逃せない若手アーティストの一人です。

音楽やダンスで培われた即興の力が発揮された圧倒的に自由な表現。いままで知られていなかったブラジルの魅力を感じる展覧会となるでしょう。


【ネオ・トロピカリア:ブラジルの創造力】

■会期  2008年10月22日(水)~2009年1月12日(月・祝)
■開館時間
10:00~18:00(入場は閉館30分前まで)
■休館日
月曜日(ただし11/3、11/24、1/12は開館、11/4、11/25、12/28~1/1は休館)
■主催  財団法人東京都歴史文化財団 東京都現代美術館/駐日ブラジル大使館-Embassy of Brazil/日本経済新聞社
■認定  日伯交流年認定事業/企業メセナ協議会
■助成  芸術文化振興基金
■協賛  新日本製鐵株式会社/USIMINAS
■特別協力 サンパウロ近代美術館(MAM-SP)
■協力  エールフランス航空/日本航空/株式会社中川ケミカル/NECディスプレイソリューションズ/日本ヒューレット・パッカード株式会社
■後援  日本テレビ放送網
■観覧料(  )内は20名以上の団体料金
一般  1,200(960)円
学生  900(720)円
中高校/65歳以上 800(640)円
小学生以下 無料
■問い合わせ 03-5777-8600(ハローダイヤル)

次のページでは、環境彫刻の巨匠カラヴァンの回顧展をご紹介!
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