アート・美術展/アート・美術展関連情報

日本のアートシーンを盛り上げる「GEISAI」(4ページ目)

現代アーティストの村上隆の呼びかけにより、2002年に始まったアートイベント「GEISAI」の記念すべき10回目をレポート!たくさんのアーティストの作品を見ることができました。

執筆者:橋本 誠

豪華審査員が選ぶ受賞者たち

午後になると、メインステージではGEISAI#10の受賞者が発表されました。今回の審査員は下記の通り。例にもれず豪華な顔ぶれです。
  • マルセル・ザマ(アーティスト)
  • ダグラス・フォーゲル(ピッツバーグ・カーネギー美術館キュレーター)
  • 佐藤可士和(アートディレクター/クリエイティブディレクター)
  • 藤原ヒロシ(音楽プロデューサー)
  • サミュエル・クン(上海MoCA(当代芸術館)の会長兼館長)
平良美樹
藤原ヒロシ氏より銀賞を受け取る平良美樹さん
時松はるな
審査員賞を受賞した時松はるなさん(下段右から2番目)と一緒に出展したお友達
時松はるな
時松はるな《通勤快速》
素材:シャープペンシル
まずは特別賞であるBEAMS賞PENTAX賞リキテックス賞が発表され、次に各審査員賞が、そして最後にメインの金・銀・銅賞が発表されました。

審査員により受賞者の名前とブース番号が読み上げられ、受賞者が登壇。賞品や盾が直接手渡されます。どの受賞者もうれしそうにしていました。

授賞式の後で、サミュエル・クン賞を受賞した時松はるなさんにお話を聞くことができました。時松さんは多摩美術大学の4年生。今回、大学の友達8人で一緒に出展したそうです。

受賞の感想は「今回の受賞は思いがけないことで、正直驚いています。友達みんなと出展できて楽しかったです。」とのことでした。これをきっかけにして、残りの大学生活も変わっていくのかもしれません。

作品の方は、シャープペンシルの細い線で制服や体操服を来た人物がたくさん描かれているマンガの様な絵。子どもにも、大人にも見える曖昧なキャラクターがコミカルなポーズをとっていたりと、見ていて楽しい作品ばかりでした。

その他の受賞者はこちらでご覧いただけます→GEISAI#10受賞者一覧ページ

GEISAIは次のステップへ

村上隆
自ら出展者とお客さんの間に入り、作品の値下げ交渉をする村上隆
今回GEISAIに参加してみて、非常に成熟したイベントであるという思いを強くしました。たくさんの出展者は、ただイベントの雰囲気を楽しんでいるわけではなく、皆それぞれに一生懸命アピールをしていたように感じられました。

1日限りの場ではありますが、ここで評価されることで、一躍世界へと活動の場を広げることができる可能性をGEISAIは持っているのですから当然のことです。

そしてそれに応えるかのように来場者も積極的。出展者と熱心に話し込んだり、作品を購入したりといった姿を多く見ることができました。審査員もきっと同様のことだったことでしょう。

閉場間際に仕掛け人の村上隆さんの姿を見つけました。なんと彼は、出展者とお客さんの間に入り、自ら作品の値下げを交渉していました!このような村上さんの熱意が5年間かけて、GEISAI全体の熱い雰囲気につながってきたのかもしれません。

実は、今回の10回目でGEISAIはひと区切り。次の展開は明らかにされてませんが、2007年の夏には今まで以上にパワーアップして復活するようです。またその様子も、All About「アート・美術展」でお伝えできればと思います。

【関連サイト】
  • GEISAI.net…GEISAIの最新情報やアーカイブを公開するサイト
  • カイカイキキ…GEISAIを運営する村上隆によって設立された会社。所属アーティストの情報などを公開している。


いかがでしたでしょうか。All About「アート・美術展」では、今後も様々なイベント情報をお伝えしていきます。お楽しみに!
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