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里山の美術展「大地の芸術祭」レポート(4ページ目)

緑豊かな新潟県の越後妻有地域全てが現代アートの舞台となる大注目のイベント「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」ガイドによるレポート記事。

執筆者:橋本 誠

ガイドおすすめの作品(津南・中里)

宮永甲太郎《脈》
宮永甲太郎《脈》
Photo (C)Kenji Yamakita
大量の空き瓶を溶かして作られた作品
津南・中里地区は越後妻有の最南部にあたります。

事前特集でもご紹介しました登り窯を利用した美術館、蔡國強「ドラゴン現代美術館」の内部では、宮永甲太郎《脈》が展示されていました。

大量の空き瓶を焼き溶かすことでつくられた作品で、よく見ると龍の形をしていることが分かります。実際に窯を使って焼成させたのでしょう。茂みの中に突如として現れる登り窯とその中身に驚かされました。
星の木もれ陽プロジェクト
木村崇人《星の木もれ陽プロジェクト》
Photo (C)Kenji Yamakita
木村崇人《星の木もれ陽プロジェクト》は夜間に人工の太陽で森を照らすことで、星型の「木もれ陽」をつくりだすプロジェクトです。

「木もれ陽」を映し出しやすいように白い網が手渡されるのですが、本当に星型の光をつかまえることができました。地面にも星型の光がたくさん映し出されていて幻想的な風景がつくりだされていました。
※会期中の金・土曜日20:00~21:00の時間、晴天時のみの公開

先のページでもご紹介しました景山健《ここにおいて 津南 2006》なども、この地区の作品です。

都会では味わえない貴重な美術体験

広大な里山を舞台に、他では決して見られない多様な作品に出会える「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ2006」。

3日間はあっという間でしたが、作品だけでなく、美しい風景の数々や、温かく迎えてくださった作品サポーターや地域の方々の姿などが強く心に残っています。

私も普段は都会で何かに追われるようにしながら、慌しく毎日を過ごしていますが、越後妻有の深い緑の中で、ゆっくりと時間をかけながら作品をめぐり歩くという体験はとても貴重な機会だったと思います。

残り少ない9月10日までの会期。ひと味違う美術体験をしてみたいという方はぜひこの機会に訪れてみてはいかがでしょうか。

【大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ2006】
■会期/2006年7月23日(日)~9月10日(日)50日間
■会場/越後妻有2市町760km2
      新潟県十日町市(2005年4月に旧十日町市・川西町・中里村・松代町・松之山町が合併)、津南町
■主催/大地の芸術祭実行委員会
■総合ディレクター/北川フラム
■アートアドバイザー/トム・フィンケルパール(アメリカ)、ホウ・ハンルゥ(中国/フランス)、ヤン・チェル・リー(韓国)、中原佑介(日本)、オル・オギュイベ(ナイジェリア)、ジェームズ・パットナム(イギリス)、ウルリッヒ・シュナイダー(ドイツ)
■ディレクター/Fの会(いけばな)、入澤美時(陶芸)、入澤ユカ(アート)、田中文男(空家プロジェクト)
■総作品数/46の国と地域のアーティストによる作品337点(第1,2回展恒久作品含む)

詳細情報は「大地の芸術祭」公式サイトにて。

【関連記事】【関連サイト】
  • アートフロントギャラリー…「大地の芸術祭」事務局を務めるアートフロントギャラリーのオフィシャルサイト。代官山のアートスペースや携わっているアートプロジェクトなどの情報が入手できる。
  • 北川フラムのブログ…「大地の芸術祭」総合ディレクターを務める北川フラムのブログ。開幕までの慌しい準備の様子などが綴られている。



いかがでしたでしょうか。All About「アート・美術展」では、今後も様々なイベント情報をお伝えしていきます。お楽しみに!
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