本格ミステリーと怪奇小説のハイブリッド
〈刀城言哉シリーズ〉
旧家が対立する村で死体を案山子に装う連続殺人が発生した。怪奇小説家・刀城言耶はこの謎を解くことが出来るのか? |
シリーズ第2作『凶鳥の如き忌むもの』では、刀城は瀬戸内にある鳥坏島の"鳥人の儀"を取材し、密室から消えた巫女の謎に挑むことになる。第3作『首無の如き祟るもの』は奥多摩の媛首村で起きた"連続首切り殺人"の物語。先祖の呪いで男子が早世するとされる秘守家では、10年ごとに子供の無事を願って"三々夜参り"が行われる。一族の長である一守家の双子――長寿郎と妃女子の十三夜参りの夜、密室状態の媛首山から妃女子が消失し、井戸の底から死体となって発見された。そして10年後、長寿郎の嫁を選ぶ"婚舎の集い"の夜に新たな殺人事件が発生する。大胆にして異様なトリックは現実的なものではないが、閉鎖的な村がディープに描かれているからこそ、その不気味さはむしろ切迫感をもって読者に迫ってくる。『このミステリーがすごい!』の第5位および『本格ミステリーベスト10』の第2位に選ばれた本作は、現時点での著者の代表作にほかならない。
待望のシリーズ第4弾
『山魔の如き嗤うもの』
密室状態の屋敷から消えた一家、童歌の見立て殺人、不気味な声を上げる山魔。幾重もの逆転が仕組まれたトリッキーな怪奇ミステリーだ。 |
【関連サイト】
・ミステリー・リーグ&ヴィンテージ・ミステリ…〈刀城言耶シリーズ〉の3作を刊行している原書房。その公式サイトに設置されたミステリーコーナーです。