ミステリー界の話題を独占した
ジョン・ダニングとは
投げ売り本から値打ちモノを探し出す古本掘り出し屋が殺された。その蔵書に莫大な価値があったため、事態は意外な展開を見せることに……。 |
ジョン・ダニングは1942年にニューヨークで生まれた。デンバーの新聞社に数年間勤めた後、職を転々としながら小説を発表し、1981年以降は――執筆活動を休止して――稀覯本専門の古書店を経営。そこで得た経験を設定に生かし、1992年に『死の蔵書』で作家業に復帰してからは、数年に1作のペースで長編を書き続けている。ここでは〈クリフ〉シリーズを順に見ていこう。
刑事から古書店主に転身した
ユニークな名探偵
刑事から古書店主に転職したクリフは存在するはずがない本の行方を追う。その謎はかつての連続殺人に結び付いていた。 |
第2作『幻の特装本』の冒頭において、読者はクリフの思いがけない転身を知らされる。クリフは警察を辞めて古書店を経営していた。そんな彼のもとに舞い込んだ依頼は、存在するはずのない本――エドガー・アラン・ポー著『大鴉』の限定版を盗んだ女を連れ戻すというものだった。興味を惹かれて調査を進めるうちに、クリフは古い連続殺人との関連性に気付かされる。2つの謎はいかに繋がっているのだろうか?
続きは次のページで御紹介します。