英国発の世界的ベストセラー
〈文学刑事サーズデイ・ネクスト〉

『文学刑事サーズデイ・ネクスト1』
パラレルワールドの刑事が文学作品に入り込み、架空のキャラクターたちに遭遇する。世界的ベストセラー・シリーズの開幕編。
本が大好きな人であれば、誰しも物語の世界に憧れたことがあるはずだ。中世のパリを歩いてみたい、シャーロック・ホームズに逢いたい、幕末の剣士たちと話してみたい――そんな夢を小説化したのが、ジャスパー・フォードのSFミステリー〈文学刑事サーズデイ・ネクスト〉シリーズ。1961年にイギリスのウェールズ地方で生まれた著者は、映画の撮影助手などを経て小説を書きはじめ、このシリーズでベストセラー作家の仲間入りを果たしている。

各国の読書マニアを虜にした
その奇想天外な設定とは?

シリーズ第1作『文学刑事サーズデイ・ネクスト1 ジェイン・エアを探せ!』は2003年に邦訳された。舞台は1985年のイギリス――といっても現実とは少し違っていて、コンピュータやジェット機がない代わりに、時間旅行やクローンの技術は進歩していたりする。街角にはシェイクスピアを暗誦する人形が立ち、小説家の生家探訪ツアーが組まれるほどの読書マニアだらけの世界なのだ。

そんなある日、人間を本の世界に侵入させる装置が発明され、それを使った大事件が発生する。ディケンズの小説の登場人物が殺され、犯人が『ジェイン・エア』の世界に逃げ込んだのだ。文学刑事局に勤務する女性刑事サーズデイ・ネクストは、誘拐されたジェイン・エアを救おうとするが、そのせいで物語の内容が変わってしまう。そうして生まれたのが現在の『ジェイン・エア』――要するに文学をネタにしたホラ話というわけだ。ちなみに『ジェイン・エア』はシャーロット・ブロンテが1847年に発表した文学作品。孤児のジェインが(家庭教師として住み込んだ家の)貴族と結ばれるまでを描き、当時の社会常識に反するヒロインの造型が大きな話題を呼んだ。そんな予備知識を持っておけば、本作のネタをより深く楽しめるだろう。

多くのファンが待ち望んだ続編は次のページで御紹介します。