京都、奈良に続いて、今回は大阪が舞台
<DATA>タイトル:『プリンセス・トヨトミ』出版社:文藝春秋著者:万城目学価格:1,650円(税込) |
ところが、今回の調査対象の中で、1か所だけ、調査に手間取った機関があった。社団法人OJO。いったい、何を目的とし、どんな活動をしている組織なのか。その存在は謎につつまれていた。
一方、大阪城にほど近い空堀商店街に住む中学二年生・真田大輔には、幼い頃から“女の子になりたい”という願いがあった。大輔はその願いを実現させることを決意し、幼なじみの橋場茶子(はしばちゃこ)と一緒にセーラー服で学校に行く。周囲の奇異の目、教師の叱責、上級生の攻撃。それ以来、大輔は過酷な毎日を送ることになる。茶子は大輔を守ろうとするが……。
会計検査院の調査員の来訪と、地元の中学生の戦いが、5月末日に大阪という大都市の機能を全停止させる。一見関係なさそうな2つの出来事がどこでリンクするのか。大阪に隠された秘密とは? というのが本書の大きな読みどころだ。
『鴨川ホルモー』『鹿男あをによし』との大きな違いとは?