おしゃれをして行く映画館「グリーン・ハウス」の画期的なサービスとは?
<DATA>タイトル:『淀川長治 究極の映画ベスト100』出版社:河出書房新社著者:淀川長治、岡田喜一郎価格:714円(税込) |
「正直いってくだらない作品が多すぎますよ。僕なら小屋にかける映画をもっと吟味しますね。それと建物が汚いと思うな」
まず久一は自ら映画会社と交渉し、人気のある作品を着実に買いつけた。それから、建物の改造にもとりかかった。その頃、映画は最先端のメディアだった。スターも流行も映画から生まれた。久一は名店街をつくり、扉や椅子を高級感のあるものに取り替え、「グリーン・ハウス」を、そのイメージに合うおしゃれなスポットに変えていく。
何よりも画期的だったのが、トイレをきれいにしたことだ。彼は女子従業員にアイデアを募って夢のトイレをつくりあげ、飛躍的に女性客を増やした。
その後もさまざまなサービスやイベントを実施して、「グリーン・ハウス」は、淀川長治に「あれは、おそらく世界一の映画館ですよ」といわれるまでになるのである。
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