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ドラマ「おせん」原作を読む(2ページ目)

東京下町の老舗料亭「一升庵」の女将は、天然ボケで大酒飲みの半田仙。実は「本物」を見極める天才で……。話題のドラマ「おせん」(日本テレビ系 火曜夜10:00~)の原作コミックを読む!

石井 千湖

執筆者:石井 千湖

話題の本ガイド

おせんに学ぶ 本物とは何か?

おせん (15)
<DATA>タイトル:『おせん(15)』出版社:講談社著者:きくち正太価格:1,680円(税込)現在15巻まで出版されている
若くて美しいが天然ボケで、ふだんは女将の貫禄ゼロのおせん。ところが料理の腕は一流、もてなし方は大胆かつ細やかで、店の看板も器も自分で創る芸術家。

ドラマの初回でもちょっとだけ出てきた、ふろふき大根(第3話「ささやかな思想」)と信楽の水桶(第5話「真贋の先にあるもの」)のエピソードを読むと、彼女のキャラクターが理解できる。なぜ和食では常識と思われている大根の面とりと煮干のワタとりをしないのか? なぜ200万円の水桶を野ざらしにするのか? 日本でも有数の目利きといわれる骨董屋・珍品堂の言葉が印象に残る。

うらやましいぜ じっさい――
あそこまでモノにホレ込める
うぶな目がついてるってことがだ

モノの真贋や値段がなんぼわかったって
んなもなァ 目利きでもなんでもねえ
その先にあるんだ
モノがわかるってこたァよ……


おせんは食材にも芸術品にも真っ直ぐに愛情を注ぎ込む。値段やブランドは関係ない。偽装や毒物混入など食品にまつわる悪いニュースが相次ぐ現在。何が本物なのか考えるきっかけになりそうな漫画だ。

【関連リンク】
「おせん・きくち正太ファンサイト」…漫画『おせん』ときくち正太のファンサイト。単行本の紹介や、実在した江戸の美女「笠森お仙」についてなど、より深く作品の世界を味わえるコンテンツがいっぱい。

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