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本屋大賞決定!『ゴールデンスランバー』

第5回本屋大賞受賞作は伊坂幸太郎『ゴールデンスランバー』に決定! 「信頼」というシンプルだけど大事な言葉を思い出させてくる傑作の内容とは?

石井 千湖

執筆者:石井 千湖

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まだ開催5回目にもかかわらず、すでに国内の文学賞の中でも指折りの影響力を持つようになっている本屋大賞。今年の受賞作は伊坂幸太郎『ゴールデンスランバー』に決定! その読みどころとは?

書店員が売りたい本第1位伊坂幸太郎『ゴールデンスランバー』

ゴールデンスランバー
<DATA>タイトル:『ゴールデンスランバー』出版社:新潮社著者:伊坂幸太郎価格:1,680円(税込)
舞台は、現実と似ているが少し違う、パラレルワールドの仙台。若くして首相の座にのぼりつめた男が、凱旋パレード中に爆殺される。

キルオと呼ばれる連続殺人犯から市民を守るためという名目で、街中に設置された携帯電話の通話も傍受できる監視システムセキュリティポッドを駆使し、警察は早々に容疑者を特定する。本書の主人公、青柳雅春だ。セキュリティポッドに録画された映像、さまざまな場所での目撃証言など、次々と積みあがっていく証拠は彼の犯行を裏付けているように見えるが――。発生後、40年以上経っても真相がわからないケネディ大統領暗殺事件をベースに、巨大な陰謀に巻き込まれた男の逃亡劇を描く。

壮大なストーリーにユニークな細部を絶妙なタイミングではめ込む巧みな構成、友だちになりたくなる魅力的な登場人物、何気ないのに忘れがたいエピソードやセリフ。伊坂幸太郎の美点が全部揃ったような作品だ。例えば、弱味を握られ青柳雅春を陥れようとした大学時代の友人森田森吾が、ギリギリのところで彼にこんなことをいう。

何気ないけどかっこよく感じる森田のセリフとは? 『ゴールデンスランバー』というタイトルの意味とは?

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