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2008年、品格を読書で育てる12ヶ月(9ページ目)

現代のベストセラー作家の作品から、不朽の名作まで。小説で季節感を味わい、1年たって気がついたら品格も育っている(といいなー)という欲ばりな読書計画です!

石井 千湖

執筆者:石井 千湖

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9月 恋と秋刀魚の味

画像(C)講談社
<DATA>タイトル:『殉情詩集・我が一九二二年』出版社:講談社著者:佐藤春夫価格:998円(税込)
谷崎潤一郎は28歳で石川千代と結婚したが、妻の妹と深い仲になってしまう。実家に帰された千代に佐藤春夫は恋をする。後に谷崎との正式な離婚が決まったとき、3者連名で声明を発表し世間をあっといわせたという。いわゆる細君譲渡事件を背景にして作られた詩が「秋刀魚の歌」(「我が一九二二年」に収録)だ。

さんま、さんま、さんま苦いか塩っぱいか。

というフレーズを聞いたことがある人もいるだろう。男は夫に捨てられようとしている人妻と一緒に食べたさんまの味に思いをめぐらせる。青き蜜柑の酸(す)をしたたらせて食べるというところが美味しそう。

他にも<「水辺月夜の歌」とか秋に読むとロマンティックな気分になれるきれいな詩がいくつもある。

<DATA>
タイトル:『殉情詩集・我が一九二二年』
出版社:講談社
著者:佐藤春夫
価格:998円(税込)

芥川賞がほしくて、選考委員だった師・佐藤春夫に授賞を懇願した作家は? 答えは次のページに。

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