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2008年、品格を読書で育てる12ヶ月(5ページ目)

現代のベストセラー作家の作品から、不朽の名作まで。小説で季節感を味わい、1年たって気がついたら品格も育っている(といいなー)という欲ばりな読書計画です!

石井 千湖

執筆者:石井 千湖

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5月 春の山の美しさを堪能

画像(C)岩波書店
<DATA>タイトル:『草枕』出版社:岩波書店著者:夏目漱石価格:483円(税込)
『国家の品格』いわく文学・哲学・歴史・芸術・科学といった、何の役にも立たないような教養をたっぷりと身につけていることが真のエリートの条件の一つという。ならば、役に立たない教養を身につけているだけではなく、役に立つことはしない百けんは超エリートではないだろうか。

その師にあたるのが、漢文に詳しく英国留学の経験がある明治のインテリで、日本を代表する文豪・夏目漱石。『草枕』は、その文章芸を堪能できる1冊だ。

山路を登りながら、こう考えた。智に働けば角が立つ。情に棹(さお)させば流される。意地を通せば窮屈だ。とかくに人の世は住みにくい。

という冒頭が有名だが、遠くに見える山桜、雲雀(ひばり)の声、雨の糸など、自然描写が印象に残る。

日常会話では役に立たないけれども、美しい言葉がたくさん出てきて、読んでいるだけで楽しい。

<DATA>
タイトル:『草枕』
出版社:岩波書店
著者:夏目漱石
価格:483円(税込)

漱石の弟子としては地味ながら彫りの深い美男子でモテモテだった作家は? 答えは次のページに。

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