■いったん成立した恋愛の「裏側」。その滑らかではない手触りの痛みを伝えるサイドB
裏面であるサイドBでは、サイドAでいったん成立したかのように思えた、僕とかすみの恋愛の「裏側」を暴いてみせるのだ。サイドAより約一年後の設定であるサイドBの「僕」にとって、かすみとの恋愛は、不幸なできごとにより、痛ましく切なく、だが、美しい思い出に変わっている。だが、ある出来事をきっかけに、「僕」は、その思い出の裏側に触れることになる。その手触りは、けっして滑らかなものではない。
この作品の中で、恋愛は、けっしてソリッドなものではない。ましてや、崇高なものでもない。不確かで、曖昧で、その形を見極めることができないものだ。
著者が、そういう意図で書いたかどうかは、まったく不明だが、私は、この作品を、世の純愛ブームに対するアンチテーゼとして読んだ。なぜ、そんなに強い確信を持って、愛を叫べちゃうの??? 話題の作品を読みながら、心のどこかでちょっぴりそう思った人は、ぜひ、読んでいただきたい。
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