■練りに練られた「嘘」にハマる。これぞ物語を読む醍醐味

何しろ、それぞれの「物語」が破天荒に面白いのだ。世にも醜い妖術師、世にも美しいナイト、邪悪にして淫乱な蛇神、魔術師の血をひく森の民・・・。悪魔的なるものと神聖なものが、単純に二項対立するのではなく、時として混ざり合い、時としてすり変わる。語り口は、時として重厚に、時として静謐に、また、時としては軽妙に、まさに変幻自在。

自分とよく似た人物が登場する等身大の話もいいだろう。人生をありのままに綴ったノンフィクションも悪くない。しかし、本書の魅力は、「等身大」や「ありのまま」から最も遠いところにある。そう、本書は、壮大で練りに練られた「嘘」である。そして、その「嘘」にハマることこそが、物語を読む最大の醍醐味なのではないだろうか。
本書に登場する「災厄の書」も、ある意味では、「嘘」である。
そして、その「嘘」が現実を凌駕するのだ。こうして考えると、本書そのものが「災厄の書」なのかもしれない。

最後にもう一つ。
著者によると、本書は著者のオリジナルではなく、著者がアラビアの都市・リヤドで遭遇した匿名の作者による民間伝承を底本としたものだそうだ(巻頭にも注記があるし、後書きでは、遭遇の様も詳しく述べられている)。それも、もしかすると・・・。いやいや、追求するのは野暮というものだ。

★あえて、アラ、捜します!
あえて、言うなら、書店さん、もっと目立つところに置いて、もっと力を入れて売って!でも、話題になりすぎて、映画化とかコミック化なんてことになるのは、あんまり嬉しくない。複雑ですな。

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