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50年代のBest5=日本・欧州・米国:計15本(2ページ目)

もう一度観たい名作映画ベスト5シリーズの最終回は、1950年代です。日本、ヨーロッパ、アメリカ映画の往年の名作を一挙にご紹介します。

執筆者:中野 豊

50年代のヨーロッパ映画も名匠の傑作揃いで、アンジェイ・ワイダの『灰とダイヤモンド』や『地下水道』、イングマール・ベルイマン、マルセル・カルネ、アンドレイ・カイアットの作品群や『居酒屋』などが抜け落ちてしまいました。

50年代:ヨーロッパ映画のベスト5

抵抗 -死刑囚の手記より-
UN CONDAMNE A MORT S'EST ECHAPPE OU LE VENT SOUFFLE OU IL VEUT
A MAN ESCAPED
『抵抗 -死刑囚の手記より-』
ソフト題名:『抵抗 -死刑囚は逃げた』
第5位:『抵抗(レジスタンス)-死刑囚の手記より-』
(1956年/フランス映画/上映時間:100min/監督:ロベール・ブレッソン/出演:フランソワ・ルテリエ、シャルル・ル・クランシュ、モーリス・ベブアロック)
・ロベール・ブレッソン作品では60年に製作された『スリ』も素晴らしかった。さて本作はドイツ占領下のリヨンで、レジスタンスのフランス将校が逮捕され、彼はドイツ軍の手によって、脱走不可能と謳われた監獄に入れられます。生き延びることを決意した彼は、身の回りの品を使って、脱獄計画を進めていくのです……。実話を基にしたサスペンス・アクションとしての娯楽性もある秀作です。

死刑台のエレベーター
ASCENSEUR POUR L'ECHAFAUD
FRANTIC
LIFT TO THE SCAFFOLD
ELEVATOR TO THE GALLOWS
『死刑台のエレベーター』
第4位:『死刑台のエレベーター』
(1957年/フランス映画/上映時間:92min/監督:ルイ・マル/出演:モーリス・ロネ、ジャンヌ・モロー、ジョルジュ・プージュリー、リノ・ヴァンチュラ)
・これ以前に海洋ドキュメンタリー『沈黙の世界』で、クストーと並んで監督にクレジットされていたとはいえ、これこそルイ・マルがその斬新な演出技法を駆使して初めて作り上げた映画として処女作と言ってもいいと思います。アンリ・ドカエの画期的な撮影(映像)と、なおかつマイルス・デイヴィスのインプロヴィゼーションによるサウンドが素晴らしい効果をあげています。ある不倫関係の男が女の夫殺害を計画、完全犯罪はエレベーターが故障したことから狂ってゆくのです……。

大人は判ってくれない
LES QUATRE CENTS COUPS
THE 400 BLOWS
『大人は判ってくれない』
第3位:『大人は判ってくれない』
(1959年/フランス映画/上映時間:97min/監督:フランソワ・トリュフォー/出演:ジャン=ピエール・レオ、クレール・モーリエ。アルベール・レミー)
・フランソワ・トリュフォーの長編第一作。アントワーヌ・ドワネルは、学校ではいつもいたずらばかりして先生に目をつけられているパリの下町に住む13歳の少年です。共稼ぎの両親は、夫婦仲が余りよくなく何かと口論ばかりしています。そんなある日、遊び金に困った彼は父親の会社のタイプライターを盗んで質に入れようとするのですが、すぐにバレてしまい、両親は彼を少年鑑別所に入れてしまいます……。フランソワ・トリュフォーが27歳の時に撮ったこの作品は、その斬新さ解放感、そして自由な活気に満ち溢れ、当時の映画人に驚嘆と喜びをもって迎えらました。本作は、ゴダールの『勝手にしやがれ』とほぼ同時期に公開され、今では完全に定着した“ヌーヴェル・ヴァーグ”の時代を切り開いた記念碑的作品です。ガイドはゴダールではなく、断然フランソワ・トリュフォー派です。

禁じられた遊び
JEUX INTERDITS
FORBIDDEN GAMES
『禁じられた遊び』
第2位:『禁じられた遊び』
(1951年/フランス映画/上映時間:87min/監督:ルネ・クレマン/出演: ブリジット・フォッセー、ジョルジュ・プージュリー、シュザンヌ・クールタル、ジャック・マラン)
・1940年6月、南仏の田舎で機銃掃射で両親を失い、さまよっていた5歳の少女ポーレットは、少年ミシェルと出会い、死んだ子犬の墓を作るミシェルから死んだものはそうやって葬る事を教わり、ポーレットはミシェルといっしょに次々とお墓造りをしていくのです……。ルネ・クレマン監督の詩的な視線と、ナルシソ・イエペソの音楽は忘れることは出来ません。

道
LA STRADA
『道』
第1位:『道』
(1954年/イタリア映画/上映時間:115min/監督:フェデリコ・フェリーニ/出演:アンソニー・クイン、ジュリエッタ・マシーナ、リチャード・ベースハート)
・フェデリコ・フェリーニ監督作は傑作だらけですが、そんな中、心にドスンとのしかかる本物のラヴ・ストーリーとしてもヒューマン・ドラマとしても最高な出来栄えなのが本作でしょう。天使のようなジェルソミーナと野獣のようなザンパノの大河ドラマです。失った時、はじめてその素晴らしさがわかる……。ラストの男泣きにザンパノの人生の過去が甦るのです。



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