まずは60年代日本映画史で語られている10本を選びます。
年代順10本=『日本の夜と霧』(60年/大島渚監督)、『用心棒』(61年/黒澤明監督)、『切腹』(62年/小林正樹監督)、『椿三十郎』(62年/黒澤明監督)、『砂の女』(64年/勅使河原宏監督)、『怪談』(64年/小林正樹監督)、『赤い殺意』(64年/今村昌平監督)、『飢餓海峡』(64年/内田吐夢監督)、『東京オリンピック』(65年/市川崑監督)、『日本のいちばん長い日』(67年/岡本喜八監督)からガイドの“本日の趣味”で5本(『怪談』、『東京オリンピック』はジャンル別のセレクト10・ホラー・ドキュメンタリーで紹介していますので除外させてもらいました)に絞ります。
※物語の結末まで言及している作品もあります。ご注意ください。
第5位 『砂の女』
カンヌ映画祭審査員特別賞受賞作『砂の女』 |
砂丘に現れた高校教師が、村民のすすめで砂の穴にある女一人が住む家に泊まることにします。しかし、その家からは縄梯子なしでは出られません。抑留されたことを知った高校教師は脱出を試みるのですが果せません。やがて憎んだ女家主とデキてしまいます。そしてある日、思わぬことから発見した溜水装置の改良にのめり込んでゆくのです……。
[作品紹介]
・1964年/上映時間:147min
・監督:勅使河原宏
・原作:安部公房
・出演:岡田英次、三井弘次、岸田今日子、伊藤弘子
第4位 『赤い殺意』
今村昌平監督の代表作の1本『赤い殺意』 |
封建的な古い因習の東北を舞台に、家庭の中でいつもビクビクしながら生活している貞子は、夫が留守のある日、強盗に犯されるのです。その後も強盗はやってきて貞子との関係が続くようになりますが心臓を病む強盗は病死します。その後の貞子は、バイタリティ溢れ、家族の中で主婦としての座を確立して女性の内に秘めた生命力をみなぎらせるのです。
[作品紹介]
・1964年/上映時間:150min
・監督:今村昌平
・出演:春川ますみ、西村晃、露口茂、楠侑子、赤木蘭子、北林谷栄
第3位 『切腹』
「切腹」という行為を通して考えさせる傑作『切腹』 |
本作は回想形式で、半四郎の悲劇と彦根藩邸に対する憎しみをダイナミックに描いています。現代で言えば、体制(会社など)対個人の争い・怨念と言えるでしょう。
[作品紹介]
・1962年/上映時間:108min
・監督:小林正樹
・脚本:橋本忍
・出演:仲代達矢、岩下志麻、石浜朗、稲葉義男、三國連太郎
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