1950年代に入って、急速に家庭に広がった娯楽・テレビに対抗するハリウッド映画は、スクリーンの大型化やカラー映画の定着とめまぐるしい変化の時代でもありました。

今回は、「50年代の国内No.1ヒット作&名作選」に続きまして1950年代 年度毎の全米No.1ヒット作と、興行収入ベスト10内で観ておきたい名作を取り上げます。

1950年~1954年
全米興行年間No.1作品と10内名作映画を振り返る

地上最大のショウ
1952年の全米No.1ヒット作『地上最大のショウ』
1950年:ズバ抜けたヒットを飛ばしたのが、ハリウッド創成期からのベテラン、セシル・B・デミル監督のスペクタクル史劇の『サムソンとデリラ』で、旧約聖書に登場する怪力サムソンと、彼に思いを寄せるも裏切るデリラの物語です。ヒット作第6位のディズニーアニメーション『シンデレラ』と10位の戦争活劇『頭上の敵機』はガイドのオススメです。

1951年:No.1ヒットは前年に続き聖書から題材を得た史劇の『愛欲の十字路』で原題は「ダビデとバスシバ」の偉大な王と人妻のいわゆる不倫もの。どうしてこれが1位か納得はゆかなくとも数字に出ているので仕方ありませんが、以下が凄い!ミュージカル史にその名を残すジョージ・スティーブンス監督の『巴里のアメリカ人』が3位、マーロン・ブランド、ヴィヴィアン・リーの『欲望という名の電車』が5位、『陽のあたる場所』が8位、ディーン・マーティン、ジェリー・ルイス コンビの『底抜け右向け!左』が9位とゴキゲンなラインナップの年です。

1952年:このころアメリカではテレビの普及が加速して、映画は対抗して大画面のスペクタクルで勝負しようとの出方で、まずは52年のNo.1ヒットとなった『地上最大のショウ』はスリルたっぷりのサーカス映画で、セシル・B・デミル作品として初のアカデミー作品賞を受賞したほどに面白い作品です。そして8位に西部劇の傑作『真昼の決闘』、10位にミュージカル『雨に唄えば』が入りました。

聖衣
1953年全米No.1ヒット作『聖衣』
1953年:No.1ヒットの『聖衣』はシネマスコープサイズの上映でまだまだ史劇ブームは去っていないようですが、この年は2本のマリリン・モンロー主演映画が10内に入りました。また名作西部劇の『シェーン』が3位、『ピーターパン』が5位とディズニーアニメーションは昔から強かったんですね。

1954年:『ホワイト・クリスマス』がNo.1ヒットとなりました。本作は主演のビング・クロスビー主演の『スイング・ホテル』のリメイクですが、本人の再出演と共演にダニー・ケイやローズマリー・クルーニーを迎えた踊りと歌と笑いの三拍子揃った楽しい作品です。アクロバティックなミュージカルの傑作『掠奪された七人の花嫁』が9位に、そして伝記映画『グレン・ミラー物語』が3位と音楽映画が健闘しました。


【関連リンク】
『シンデレラ』
『頭上の敵機』
『巴里のアメリカ人』
『欲望という名の電車』
『陽のあたる場所』
『真昼の決闘』
『雨に唄えば』
『シェーン』
『ピーターパン』
『スイング・ホテル』
『掠奪された七人の花嫁』
『グレン・ミラー物語』


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