日本映画は1960年に574本の制作を頂点に下降してゆきます。1958年の観客数が延べ11億人を超えましたが、それからわずか5年で半分以下にまで落ち込みます。それは革命的メディアであるテレビの普及が影響したことは言うまでもありません。

今回は、1950年代の日本映画黄金期の年度毎の日本国内No.1ヒット作と、興行収入ベスト10内で観ておきたい名作を取り上げます。

1950年~1954年
日本国内興行年間No.1作品と10内名作映画を振り返る

宗方姉妹
1950年の国内興行No.1ヒット作『宗方姉妹』
1950年:No.1ヒットは小津安二郎監督作品で、戦後の日本の家庭の崩壊を描いたシリアスな『宗方姉妹』です。2位『自由学校』、3位に『佐々木小次郎』と邦画が続き、アメリカ映画・ディズニーアニメーションの『白雪姫』が4位と健闘しました。

1951年:No.1ヒットは大映創立10周年を記念して創られた『源氏物語』で、本作の監修を文豪・谷崎潤一郎が担当し、主演が大人気の二枚目俳優・長谷川一夫です。5位にアメリカの西部劇『白昼の決闘』、8位にセシル・B・デミル監督の史劇『サムソンとデリラ』が入りました。

1952年:太平洋戦争で戦場となった沖縄を舞台に、最前線へ駆り出された女学生たちを描いた『ひめゆりの塔』が、アメリカ映画の『風と共に去りぬ』を超える国内No.1ヒットとなり、この時代はまだ邦高洋低(邦画の興行収入が洋画を上回る)だったのですね。黒澤明監督の不朽の名作『生きる』は興行収入の10内には届きませんでした。

ひめゆりの塔
1952年の国内興行No.1ヒット作『ひめゆりの塔』
1953年:No.1ヒットは『君の名は・第2部』で、続く2位が『君の名は・第1部』でした。当時の配給収入で1億いけば大ヒットの時代に「1部・2部」の合計で5億5千万も稼ぎ出したオバケ映画ですね。3位にはアメリカ映画の『地上最大のショウ』、4位の西部劇『シェーン』が興行を賑わせました。

1954年:のNo.1ヒットは前年から引き続き『君の名は・第3部』でした。あの黒澤明の代表作『七人の侍』が4位、オードリー・ヘップバーンの『ローマの休日』が3位と知ると、『君の名は』人気の凄まじさがわかりますね。


【関連リンク】
『白雪姫』
『白昼の決闘』
『サムソンとデリラ』
『風と共に去りぬ』
『生きる』
『君の名は・三部作』
『地上最大のショウ』
『シェーン』
『七人の侍』
『ローマの休日』


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