第3位:『アポカリプト』
マヤ文明の終焉は現代への警鐘か?
「恐れが破滅をもたらす」と説く『アポカリプト』 |
中央アメリカのジャングルで平和に暮らす一族が、突如マヤ帝国の傭兵の焼き討ちに合い、部族長の息子である主人公ジャガー・パウは愛する妻と息子を敵の手から隠しますが、自分は囚われて連行されます。着いた先は、ピラミッドが立ち並ぶマヤ文明社会。そこで彼は奇怪な儀式の生け贄にされる運命だったのですが、その時、神の悪戯で日蝕が起ります……。
ジャングル内アクションの臨場感、生首ゴロゴロのシーン、死体の池というビジュアルのエグさに驚きました。そして、マヤ文明の混沌から終焉までを、現代社会になぞることが出来るのでは?と感じ、鳥肌ものです。
【作品情報】
・2006年/アメリカ映画
・上映時間:138min
・監督:メル・ギブスン
・出演:ルディ・ヤングブラッド、ダリア・エルナンデス
第2位:『バベル』
神の視点で描こうとしたのか? 魂をゆさぶられる逸品
観終わってからジワジワと心に響いてきた『バベル』。登場人物たちの前日談、後日談も気になります。 |
日本人の銃がモロッコの男の手に渡り、その銃でいたずらした少年が、アメリカ人観光客を撃ってしまいます。テロではないかと国際問題に発展してゆく過程に、言語や国力の差を見せつける恐ろしさ……。
「どんな関係にも相手の心を聞く耳が必要だ」とは『アモーレス・ぺロス』でデビュー、『21グラム』で知られる監督イニヤリトゥ監督の言葉です。
【作品情報】
・2006年/アメリカ映画
・上映時間:143min
・監督:アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ
・出演:ブラッド・ピット、ケイト・ブランシェット、ガエル・ガルシア・ベルナル、役所広司、菊地凛子
低炭素社会へ踏み出そうとする世界の動きの一翼を担った
観なくてはいけない映画=第1位:『不都合な真実』
本作によりノーベル平和賞を受賞したアル・ゴアのスライド講演をみせるドキュメンタリー映画『不都合な真実』 |
1970年代に「ノストラダムスの大予言」という本がベストセラーとなり、1999年の7月に巨大隕石が地球に衝突して人類が滅びる!と信じたり、核戦争が起こるかもと恐れたり、未知のウィルスに人類が感染して……。などなど、人類最後のシナリオを空想したものですが、現代、確実に忍び寄っている「地球温暖化」問題があります。
環境問題を映画というメディアの力で世界を動かした稀有な一篇で「All About」でも、様々なアプローチで本作と地球温暖化についての論評・分析・取り組み記事があります。以下の【不都合な真実・関連記事】を読んでみてください。
【作品情報】
・2006年/アメリカ映画
・上映時間:96min
・監督:デイビス・グッゲンハイム
・出演:アル・ゴア
【不都合な真実:関連記事】
・事実は小説より奇なり「記録映画10選」
・地球温暖化は英語で何? 『不都合な真実』(映画で学ぶ英会話)
・不都合な真実(節約・やりくり)
・「不都合な真実」を直視せよ(地震・自然災害・火事対策)
・「不都合な真実」と「風を聴こうTシャツ」(Tシャツ)
・今年の話題NO.1映画は『不都合な真実』(人気映画・ヒット作)
恒例のガイドの独断と趣味の「年間のベスト10」でした。みなさんも2007年の優秀映画を選んでみませんか? 日本インターネット映画大賞投票は(08年1月17日の木曜日まで受付)こちらです。
また、映画のヘビーユーザーや、試写室などで評判の高かった2007年公開映画10選「モア10」を近日アップいたします。ご期待ください。
【関連記事】
・2006 ホントに凄い名画Vol.2:MORE10
・2006 ホントに凄い名画Vol.1:BEST10
・平和を考える06年公開の名画BEST5
・05公開作 入魂のBEST20
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