ノミネートさえままならない、アカデミー賞の主演男優賞を受賞するには、演技者としての実力が評価されますが、たとえば、人気・実力を兼ね揃えている、レオナルド・ディカプリオもジョニー・デップも受賞は逃しています。たまたまその年に強力なライバルが居たり、ハリウッド映画界の知られざる力で受賞できなかったりと、運もあるのでしょうね。
では受賞者の中の人気ランキングのカウントダウンは第10位から。
第二のマーロン・ブランドと言われた、後発の名優
第10位:ポール・ニューマン
第59回アカデミー賞主演男優賞受賞作『ハスラー2』 |
その後、ロバート・ワイズ監督の『傷だらけの栄光』に主演し、ポール・ニューマンの本格的映画人生がはじまったと言ってもいいでしょう。以降『ハスラー』、『ハッド』、『暴力脱獄』で、アカデミー賞にノミネートされ、トップスターの座を獲得しました。
ガイドが愛するポール・ニューマンの主演作は『明日に向かって撃て!』や『スティング』ですが、アカデミー主演男優賞を受賞した作品は『ハスラー2』でした。これは、これまでの経歴へのご褒美も兼ねているのでしょう。アカデミー賞にはそういった裏事情もあります。ともかくポール・ニューマンがアカデミー主演男優であることは嬉しいことです。
時に、オーバーアクトに笑わせられる
第9位:ジャック・ニコルソン
『カッコーの巣の上で』に次いで2度目の受賞作、第70回アカデミー賞主演男優賞受賞作『恋愛小説家』 |
1975年『カッコーの巣の上で』は70年代を代表する傑作で、演出とニコルソンの演技がシンクロした名作。1983年の『愛と追憶の日々』では同助演男優賞を受賞し、1997年の『恋愛小説家』でアカデミー主演男優賞を再度受賞しました。
オーバーアクト気味なその演技が他者を寄せ付けず、ニコルソンカラーに映画を染めてしまう存在感は抜群!ガイドとしては『シャイニング』のニコルソンこそオーバーアクトの最たるモノで、恐怖映画なのに笑ってしまったところも何箇所かあったような……。
やんちゃ坊主がそのまま大人になったような
第8位:ラッセル・クロウ
第73回アカデミー賞主演男優賞受賞作『グラディエーター』 |
ガイド一押しの『インサイダー』ではアル・パチーノと共演。『ビューティフル・マインド』、『シンデレラマン』といった秀作で不動の地位を築きました。素行の悪さがニュースで聞こえたりもしますが、やんちゃ坊主の地が出たのでしょう。演技派としてこれからも私たちを楽しませてもらいたいですね。
眼光がモノを言う。アル・パチーノは目が命!
第7位:アル・パチーノ
第65回アカデミー賞主演男優賞受賞作『セント・オブ・ウーマン/夢の香り』 |
彼の最高の演技は「目」の動きです。『ゴッドファーザー』ではじめて殺しに手を染めたときの彼の目の演技をおぼえていますか?
そしてアカデミー主演男優賞を受賞した『セント・オブ・ウーマン/夢の香り』は、「目が命」のアル・パチーノが盲目の元軍人を演じるという意表をつく起用がまんまと嵌ったといってもいいでしょう。また、不眠症でギラギラとした目付きの『インソムニア』が記憶に新しいです。
ガイドは、70年代の傑作選『狼たちの午後』や『セルピコ』で受賞して欲しかったというのが本音ですが……。
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