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大人の男が参考にしたい恋愛映画

大人の男が観たいラヴストーリーの3本です。反面教師としての作品も取り上げます。悲恋物、ハッピーエンディング、永遠の悲しき片思いの3作品の紹介です。

執筆者:中野 豊

大人の男が観たいラヴストーリーの3本から。老コメディアンとバレリーナの人生を見つめた『ライムライト』。士官学生と町工場の女性との恋愛ドラマ『愛と青春の旅だち』。ジェームズ・ディーン主演の成り上がり人生と永遠の片思いを描いた『ジャイアンツ』を紹介します。

老コメディアンと若きバレリーナの心のラヴストーリー
『ライムライト』

ライムライト
チャップリンの最もロマンティックで含蓄のある一篇『ライムライト』
本作の素晴らしさは、年老いた男が人生を説いてゆく名セリフの数々と、チャップリンの優しい視点です。男女の恋は、自分のエゴを貫くスタイルもあるかもしれませんが、やはり恋愛の原点は、自分の幸せよりもなによりも、相手の幸せを一番に願うこと。そんな純粋な気持ちこそが本当の大人の恋愛と言えるのではないでしょうか。

チャップリンが最後にアメリカで撮った本作は、晩年作品では最も光り輝いている珠玉の感動作です。

あるアパートの一室からガスの臭いに気がついた老芸人キャルベロ(チャールズ・チャップリン)が、その部屋のドアを破りベッドに横たわっていた女を運びだします。医師の治療のあと、意識を回復した女(クレア・ブルーム)に、キャルベロは優しく人生を語るのです。

女の名はテリー。失業中のバレリーナですが、急性的に脚が動かなくなり絶望して自殺を図ったとのことです。しばらくしてテリーの体調もよくなってきましたが、立つことは出来ません。キャルベロはテリーを養うために不本意な舞台にも立ちます。

テリーの脚が動かないのが精神的な理由であると知ったキャルベロは、セラピストよろしく彼女のトラウマを取り除く努力を欠かしませんでした。

しばらくして、テリーは立ち上がることが出来、二人は喜びます。それから半年後に、テリーはかつて踊っていた劇場で、新作の主演を演じるチャンスを得ます。人は上昇気流に乗ると多くのことが良い方に流れだすものです。テリーは新作の作曲家と恋におちるのですが、なんとテリーはキャルベロに結婚を申し込みます。が、キャルベロは取り合いません。成功した若いテリーに今は自分の存在は不幸を招くのに違いないと考えたキャルベロは姿を消すのです。

テリーは世界的に成功を収めますが、キャルベロは酒場で道化をし、客のチップで暮らしていました。そこへテリーがやってきます。今でもキャルベロへの気持ちは変わらない彼女がキャルベロのために特別興行を催します。

キャルベロ一世一代の公演は、老ピアニスト(バスター・キートン)との共演です。サイレント時代の3大喜劇王のチャップリンとキートンの夢のコラボレーションが映画のラストを飾り……。そして、大成功の舞台の袖でテリーの踊りを見つめながらキャルベロは人生の幕を閉じるのでした。

【作品情報】
・1952年/アメリカ映画
・上映時間:137min
・監督:チャールズ・チャップリン
・出演:チャールズ・チャップリン、クレア・ブルーム、バスター・キートン、シドニー・チャップリン、ジェラルディン・チャップリン


次ページは、リチャード・ギア主演作『愛と青春の旅立ち』をご紹介します。
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